【 千里海岸 】
ここはみなべ町の千里の浜。熊野古道の中で、唯一、白砂青松の浜辺を歩く場所。いにしえの旅人もきっと、美しい海や潮の香りを満喫したに違いない。そんな海、砂浜から今回の旅が始まる。11月だというのに日差しが暖かく、その光を受けて、海がキラキラしている。旅人は、この2人だけで、20回を超える名コンビ、三浦ちあきさん(写真右)と伊舞なおみさん。放送している時点では、晩秋というより、初冬感たっぷりだが、旅をした頃は、晩秋とは思えない暖かさだった。この場所から、和歌山の屋根の一角、護摩壇山(ごまだんざん)を目指して、紅葉の様子をパトロールしていこうという趣向だ。もちろん寄り道もするけどね。
千里海岸からスタート
☆番組は、ここから聞くことができます。
千里王子
千里王子神社に参拝
ひとけのない寒風吹きすさぶ初冬の海岸を歩こうという気はしないが、暖かく穏やかでよく晴れた晩秋の日には、波打ち際で波の音を聞いているだけで心地よく、海を眺めているのもいいなと思ったものだ。この2人では、6年程前、2019年2月に「
印南・みなべ・田辺、早春の彩りと世界農業遺産にふれる旅」(三浦ちあき&伊舞なおみ)千里海岸を訪れている。その時と同じように熊野古道の千里王子に立ち寄り、参拝した。
千里の浜と千里観音を結ぶ道
千里観音(馬頭観音)
千里の浜は、本州最大のアカウミガメの産卵地だったりもする。自然環境はもちろんだが、この見通せる海。防波堤も消波ブロックもない。当たり前といえば当たり前だが、防災面からも、今となっては、多くはない。海と浜が障害物なくつながっている。これ重要と聞いた。
千里海岸
産卵期の頃には、むやみに浜に降りるのは禁止されている。産卵の観察についても、みなべ町教育委員会への届出と許可が必要だ。そんな観察者や研究者の拠点となる千里ウミガメ館を訪ねた。観察する夜間は待機所にもなる。千里観音の隣、老朽化した簡易宿泊所を廃し、2018年に建設された施設で、実は、2人が6年前に訪れた時は、まさに出来たばかりだったが、新しいことは分かったが、予備知識がなく、通り過ぎていた。すみません。
千里ウミガメ館
千里ウミガメ館
普段は開放されているので、自由に見学が出来る。もちろん入場は無料。でも、ウミガメの生態や産卵、研究活動についての資料やパネルが展示されている。紀の国トレイナートの時に作られたウミガメのオブジェ(パネル?)もある。いつか「ウミガメの産卵も見てみたい」と思う女子2人だった。
千里ウミガメ館のカメと
千里ウミガメ館で
【 ドライブ 】
旅を進めよう。紅葉の様子を確かめながら、護摩壇山の山頂を目指す。ただただ目指すのではなく、道の駅に寄りながら行く。そう、スタンプだ。道の駅は、多くのスタンプタリーの舞台になっている。伊舞さんが収集していたりする近畿道の駅スタンプラリーもだが、今回は、和歌山県道の駅スタンプラリーに参加してみる。県内に36か所(スタンプは37種類)ある道の駅を巡るという単純なもので、まさに、県内を駆け巡っている女子旅チームなら行けるんじゃないか?とのことで始めた。みなべ町の千里海岸をスタートして、護摩壇山に向かうとなれば、まずはここ、道の駅みなべうめ振興館。千里観音の駐車場から車で10分ほど、国道424号沿いにある。梅樽型の建物と梅のオブジェが目印の道の駅で、梅の花が満開の頃には、ここから南部梅林も眺められる。今回は、スタンプのためだけに(すみません)立ち寄った。
道の駅みなべうめ振興館
道の駅みなべうめ振興館から車で30分ほどで、道の駅水の郷日高川龍游(りゅうゆう)に到着した。城所ケイジさん作の龍のモニュメントが迎えてくれる。ここは、2021年3月「
龍神村、龍と出会い、龍と遊ぶ旅」(三浦ちあき&柳橋さやか)でも訪ねている。
道の駅水の郷日高川龍游の龍
道の駅水の郷日高川龍游
今回はランチとスタンプ。伊舞さんは念願のしいたけバーガーにご満悦。そして、田辺市の各地の飲食店が提供する自慢のメニュー(あがら丼・あがら飯)のスタンプラリーシートも見つけ、スタッフがしいたけ丼を食べたことから、ちゃっかりスタンプを押していた。スタンプ欲恐るべし。そして、道の駅の周囲の桜の葉は幾分赤いといえなくはないが、山の紅葉はまだ。
しいたけバーガー
しいたけ丼
道の駅水の郷日高川龍游からさらに車で30分、道の駅龍神に着いた。だが、スタンプがある木族館はお休み。ここがお休みのとき、スタンプは龍神観光協会の窓口(田辺市龍神行政局の庁舎内ある)で押せるとのこと。今回は、すでに通り過ぎていたので、またの機会とした。龍神行政局については、2021年3月「
龍神村、龍に出会い、龍と遊ぶ旅」(三浦ちあき&柳橋さやか)をご覧あれ。そして、紅葉はというと、道の駅のまわりにはちらほら色づいている気もあるが、山の紅葉はまだ。
道の駅龍神はお休み
道の駅龍神
【 護摩壇山 】
道の駅龍神、龍神温泉を過ぎれば、国道371号・高野龍神スカイラインに入る。2018年8月「高野龍神、猛暑を逃れ、涼を感じる旅」(三浦ちあき&伊舞なおみ)の逆向きとなる。標高が1000メートルを超えてくると、山々の木々の色づきが感じられるようになってきた。赤というより黄色が多い印象だ。そして、標高1100メートル、高野龍神スカイラインと高野山森林公園へと道路が分岐しているところにある休憩広場の駐車場に車を停めた。護摩壇山の山頂に、車で乗り付けることはできない。この場所からは約1キロの登山となる。知る人ぞ知る登山口があるのだ。さあ、行こうかとばかりに車を降りて、凍える!!寒い寒い!!標高が1000メートル高くなると、気温は6度下がるといわれる。だが、穏やかで、日差しがあった海岸部と、雲って風のある標高1100メートル地点との差は、そんな計算通りではない。女子旅チームは車に戻って防寒着を着込んで、仕切り直す。
高野龍神スカイラインの紅葉
駐車場で凍える女子たち
落ち葉や枯葉を踏みしめながらの登山となる。道はしっかりあるので歩きやすい。上がったり下がったりしながらだが、登山なので、基本的には上りになる。歩いていると寒さはほど感じなってくるが、息も上がってくる。
護摩壇山山頂への案内
護摩壇山山頂を目指す
登山道の周囲は、一面の紅葉という風景はなく、色づいている木がある、という程度だ。木々のすきまから見える遠くの山々も、圧巻の紅葉ではない。よく見ると紅葉している木もあるかな、というところ。足元の斜面の一角に真っ赤なところがあった。ドウダンツツジの紅葉かというところ。
護摩壇山の紅葉
山頂までもう少し。先に、木が途切れているところがある。ゴールか!? 紅葉している木も増えてきた、そんな感じ。遠くに、道の駅ごまさんスカイタワーのスカイタワー展望台も見えている。結論的には、秋が暖かく、色づきが遅く、女子たちが訪れ時は、まだ、紅葉のピークからすれば少し早かった感じ。ただ、今年は、11月の初めに季節外れの嵐が吹き荒れ、葉を散らしてしまった木も多かったことから、例年のように紅葉しなかったということもある。そして、11月後半、急に気温が下がり、季節に追いつく勢いで寒くなり、放送日を待たずに、氷点下になる日も出て、護摩壇山山頂付近では霧氷が見られ、凍てついてしまった、らしい。すでに冬景色になってしまったようだ。
護摩壇山山頂を目指す
護摩壇山山頂への山道
まだ暖かかった頃の護摩壇山山頂で、女子たちは深呼吸し、護摩壇山の名の由来などを読みながら、ひととき、くつろいだ。由来は、源平の合戦で敗れ、この地に落ち延びた平維盛(たいらの・これもり)が、護摩木を焚いて、命運を占ったという伝説からという。護摩壇山は、標高1372メートル。和歌山で2番目に高い山だ。ちなみに最高峰は、1382メートルの龍神岳(りゅうじんだけ)。実は、2000年の国土地理院の調査で、護摩壇山山頂の700メートルほど西に、10メートルほど高い場所があることがわかり、公募により2009年に命名されたばかり。次は、最高峰を目指してみよう。
護摩壇山山頂
護摩壇山山頂で
道の駅ごまさんスカイタワーに立ち寄り、名物のごまソフトクリームを食した。この寒さで、アイスクリーム!?ではなく、これが、すごくおいしい。ごまの風味が素晴らしい。まさに、ごま味。
ごまミックスソフト
黒ごま&金ごまソフト
道の駅ごまさんスカイタワーは、12月1日から4か月間の冬期休業に入る。再びの開園は、4月1日。なお、高野龍神スカイライン(高野町高野山~田辺市龍神村龍神大熊)も、12月15日から3月25日まで、冬期規制となる。タイヤチェーン携行が義務付けられ、必要に応じて着装が必須となる。そして、夜間(午後5時~翌朝7時)は通行禁止。2輪は、期間中。終日通行禁止となる。
道の駅ごまさんスカイタワー
【 高野山 】
高野龍神スカイラインを田辺市龍神村側から走りきり、高野山に到着。高野山で紅葉といえば、約1年前となる去年(2023年)10月の「
高野山入門旅」(伊舞なおみ&柳橋さやか)が記憶に新しい。今年は高野山の紅葉もピークには少し早かったという感じ。葉を散らしてしまった木も散見された。女子たちは、色づいている木や場所を探しての写真撮影となった。
高野山、蛇腹道の紅葉
高野山の紅葉
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