高野山入門旅

【大門】

秋、高野山は、紅葉がそろそろ見頃だ。だが、高野山は、弘法大師空海(こうぼうだいし・くうかい)が開いた真言密教の道場。せっかくなら、紅葉だけじゃなく、観るべきは観て、訪ねるは訪ねてほしい。そんな訳で、今回は高野山入門旅。旅女子は、伊舞なおみさん(写真左)と柳橋さやかさん。すっかりおなじみの女優コンビ(11回目)。

大門前の女子2人

大門前の女子2人

☆番組は、ここから聞くことができます。

まずは大門から。高さ25メートルを超える大きな赤い楼門だ。大きさに圧倒されるとともに、高野山に来たーと感じさせてくれる。今や世界遺産としての知名度も高く、訪れる人も多い高野山。番組を聞けばわかるが、車の音がどの場面にも入っている。大門もしかり。当初は、間隙を縫って収録しようとしたが、合間がないのだ。
高野山に来たー!

高野山に来たー!

大門は大きい

大門は大きい

女子たちは、両脇の金剛力士像や中央の柱に架かる柱聯(ちゅうれん)の緑の文字を見ながら大門をくぐった。そして、説明を読む。高野山では各所に案内版や説明書きがあり、それぞれにわかりやすく書かれてはいる。とはいえ、読めばわかるということではない。そこで、今回は、ちゃんと教えてもらうことにした。
大門をくぐる女子2人

大門をくぐる女子2人

大門と柱聯の説明を読む

大門と柱聯の説明を読む

放送では、エンディングでの紹介だが、釜めしのつくもは大門近くにある。ロケの日は、まず昼食、そして、大門に向かった。行列ができる人気の店だ。伊舞さんは鶏釜めし、柳橋さんは山菜釜めしを注文した。ボリューム満点でおいしかったと大満足。
釜めしの「つくも」

釜めしの「つくも」

山菜釜めし

山菜釜めし

【金剛峯寺】

ちゃんと教えてもらうために、高野山真言宗総本山金剛峯寺(こんごうぶじ)を訪ねた。高野山執務公室・弘法大師御誕生法会事務局の中村光観(なかむら・こうかん)さんが案内してくれることに。今年(2023年)は、空海が誕生して1250年の年で、記念の大法会(だいほうえ)も営まれた。その事務局ということ。高野山には、特に参拝順というのはないが、2大聖地の壇上伽藍(だんじょうがらん)と奥の院、それに、総本山の金剛峯寺を訪ねるのが基本と教わった。今回は、基本をめぐる。

金剛峯寺

金剛峯寺

金剛峯寺

金剛峯寺

まずは金剛峯寺から。正門をくぐり境内に入ると、檜皮葺き(ひわだぶき)の大きな建物がある。柳橋さんは、屋根の上にあるバケツのようなものを、伊舞さんは、立体的になっている屋根の龍の装飾を見つけた。屋根のバケツは天水桶(てんすいおけ)で、雨水を貯め、防火に役立てるといい、龍は、身分の高い人たちが入場する大玄関の装飾と知る。
天水桶

天水桶

大玄関の龍

大玄関の龍

建物の中に入り、内側から大玄関を見学すると、装飾が未完成とも見える場所がある。完成すれば崩壊が始まることから、あえて未完成にしているという。
金剛峯寺の大玄関前で

金剛峯寺の大玄関前で

あえて未完成の装飾

あえて未完成の装飾

大広間に、一枚につながったふすま絵、大きな高野杉の切り株と、見るもの全てに圧倒される。切り株は直径2.87メートルで、女子2人が両手を広げたくらいある。この木は、かつて、奥の院に立っていた巨木で、幹回り9メートル、高さは57メートルに及んだという。
大広間

大広間

高野杉の大きな切り株

高野杉の大きな切り株

放送もwebもごくごく一部を紹介しているだけ。実際には、見学箇所や物が多く、なかなか進まない。「開創三鈷杵(かいそうさんこしょ)」と書かれた大きな木製の法具の前にやってきた。中国(唐)に渡った空海が帰途につく際、港から道場にふさわしい場所を示せと、日本へ向けて投げたとされる法具が三鈷杵。両端の先が3つに分かれている法具。よくみる空海を描いた絵画で手にしているのは、先が5つに分かれた五鈷杵だという。
開創三鈷杵

開創三鈷杵

金剛峯寺を見学中

金剛峯寺を見学中

VIPを迎える奥殿(おくでん)を囲むように、守るように2体の番(つがい)の龍が雲海を泳いでいる様を表しているという日本最大級の石庭「蟠龍庭(ばんりゅうてい)」。雄大な庭風景に息を呑む。
蟠龍庭

蟠龍庭

中村光観さんの説明を聞く

中村光観さんの説明を聞く

【壇上伽藍】

高野山の聖地の一つ、壇上伽藍にやってきた。壇上伽藍とは、少し高い段になった場所で、僧侶が集まる場所ということらしい。壇上伽藍には、丹生都比売(にうつひめ)の神を勧請(かんじょう)した御社(みやしろ)の他、朱色が鮮やかな根本大塔(こんぽんだいとう)や、堂(こんどう)、御影堂(みえどう)、不動堂など、大きなお堂が多数あり、開創1200年を記念して再建された中門(ちゅうもん)がある。中門の再建で、壇上伽藍のお堂が揃ったという。そして、三鈷の松もある。空海が投げた三鈷杵が引っかかっていたとされる松。光を放って存在を知らせたという。葉先が3つに分かれ、一部が紅葉するという珍しい松。この松葉を持っていると「お金が貯まる」といわれ、女子たちは、見つけて大事に仕舞った。

御社

御社

壇上伽藍

壇上伽藍

真言宗の教え、世界観を伝える立体曼荼羅が納められている根本大塔と、高野山全体の本堂にあたる金堂を見学した。
根本大塔の中で説明を聞く

根本大塔の中で説明を聞く

金堂前で

金堂前で

金剛峯寺のほか、壇上伽藍の根本大塔や金堂は誰でも内部も見学できるので、ぜひ、訪ねてほしい。ここまで案内してもらった中村光観さんと金剛峯寺前で記念撮影した。オススメは冬という。ただ、積雪・凍結があるので訪問には気をつけてと。また、紅葉が盛りの秋に訪れる人が多いが、車は渋滞する。イライラせずに参拝をと呼びかけた。公共交通機関で訪ねるのが良いと思われる。
中門

中門

金剛峯寺前で記念撮影

金剛峯寺前で記念撮影

【奥の院】

高野山は全体が聖地だが、ひときわ別世界観が強い奥の院。この空気感が好きだという女子2人は、多くの木々や墓石の中を歩いて、弘法大師の御廟(ごびょう)に向かった。

奥の院参道を歩く

奥の院参道を歩く

弘法大師御廟に向かう

弘法大師御廟に向かう

【紅葉】

収録は9月の末で、なんと気温は26度台、歩くと汗ばむ陽気だった。放送に際して、季節感の確認にと、10月下旬、ディレクターが再び訪れた。その日も17度台と暖かかったが、紅葉が始まり、高野山内の観光客も増えていた。今年は秋が暖かいが、高野山の紅葉は進んでいる。放送日を含めた週末や、その翌週あたりがピークではないかと思われる。例年は、紅葉の盛りを過ぎると雪化粧する高野山だが、今年は11月も暖かいという長期予報もあり、長く紅葉が楽しめるかも知れない。おまけで、ディレクター訪問時の紅葉を載せておく。

壇上伽藍前、県道沿いの紅葉

壇上伽藍前、県道沿いの紅葉

蓮池周辺の紅葉

蓮池周辺の紅葉

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