御坊から有田、キララ・ときめきの旅

【キララ・ときめきロード】

有田・御坊間の海岸沿いの県道ルートには「キララ・ときめきロード」という愛称がつけられている。海がキラキラ、そんな景色が見られる場所や、観光スポットもある。サイクリングにも人気の道だ。今回は、寄り道しながらのドライブ旅になる。旅女子は、伊舞なおみさん(写真右)と柳橋さやかさん。このコンビの旅は4回目。スタートは、御坊市の日高港。大き目の漁船が停泊していた。この日の天気予報は曇りだったが、この場所に到着するのにあわせたようにぽつぽつと雨が落ちてきた。頼む、収録が終わるまで本降りにならないで、そんな思いで旅が始まった。

日高港からスタート

日高港からスタート

☆番組は、ここから聞くことができます。

☆キララ・ときめきロード

主要地方道(県道)24号御坊由良線と20号有田湯浅線、それに、23号御坊湯浅線を中心に構成される海岸線に沿った道路。延長は約60キロ。ネーミングは30年近く前のことで公募だったもよう。国道42号のバイパスの役目や観光振興を図るとして、拡幅などの整備が行われてきた。現在もまだ工事箇所がある。和歌山県の自転車推奨道路のブルーラインが引かれているところが多い。

◇御坊

まずは、「Sio(しお)トープ」へ。ここは、池を含む緑地公園で、生物観察など子どもたちの学習の場であり、市民の憩いの場でもある。ネーミングは、地名の塩屋(しおや)とビオトープをあわせたもの。ここには、水木しげるさん作の妖怪と和歌山の妖怪の石像が10体ある。そして、池は、当初海水だったが、2017年に淡水化され、錦鯉が放されている。かなりの数の大きな鯉がいて、種類と模様を一覧にした看板が最近設置された。Sioトープには、2017年10月に三浦ちあき&覚道沙恵子の「御坊から田辺、芸術の秋、まちなかアートを巡る旅」でも訪れているが、思えばこの時も雨だった。

Sioトープを行く女子たち

Sioトープを行く女子たち

水木しげるさんの名まえが

水木しげるさんの名まえが

池の中で、何か作業をしている風の男性2人がいた。何をしているんだろうかと、話を聞いてみると、御坊市生まれのハス「舞妃蓮(まいひれん)」を植えているという。2人は、御坊市の商工振興課 観光係の職員で、狩谷晃司(かりや・こうじ)係長(右から2人目)が応対してくれた。花の頃にあらためて訪れたい。

☆舞妃蓮

1966年、地元の高校教諭だった阪本祐二(さかもと・ゆうじ)さんが、アメリカの王子蓮と、日本の大賀ハスを交配させて作ったもので、6月~7月に咲くという。

錦鯉のプレート

錦鯉のプレート

御坊市観光係の方に出会う

御坊市観光係の方に出会う

◇美浜

美浜町といえば煙樹ヶ浜。伊舞さんが、幼いころの思い出とともに日本で一番好きな浜と話す。そして、それに続く、松林も素敵だ。そして、松林の一角が「松てるわ広場」として整備されている。レンタルスペースやドッグラン、遊具のある公園、散策道に駐車場もある。そして、ガラスボックス「松カフェ」を見つけた。名まえからカフェかと思いきやキッチン付きレンタルスペースだという。運営する「煙樹の杜」の田端早祐美(たばた・さゆみ)さんに話を聞いた。

煙樹ヶ浜から続く松林

煙樹ヶ浜から続く松林

ガラスボックス松カフェ

ガラスボックス松カフェ

入口は、レンガづくり風だが、中に入るとまさに「ガラスボックス」。松林を見ながらゆっくりできそうだ。現状、月~木は、「煙樹の杜」直営の総菜販売が行われ、週末は隔週で町内の飲食店が出店しているのだとか。ここは、菓子製造と飲食店営業許可付きのため、すぐに飲食の販売ができる。お試し営業やパーティなどにも使える。
まさにガラスボックス

まさにガラスボックス

ガラスボックス松カフェ

ガラスボックス松カフェ

◇日高

美浜町から日高町に入ってすぐ、海辺に一見おしゃれなレストランのような建物がある。ここは、レストランではなく、歴史を伝えるクヌッセン救命艇保管庫だ。建物の中には入れないが、傷ついた救命艇などを窓から見ることができる。

クヌッセン救命艇保管庫

クヌッセン救命艇保管庫

クヌッセン救命艇保管庫

クヌッセン救命艇保管庫

☆クヌッセン機関長

ヨハネス・クヌッセン(Johannes Knudsen)は、デンマークの貨物船、エレン・マークス号の機関長。1957年2月、嵐の美浜町沖を航行中に、火災を起こした徳島の木材運搬船を見つけ、救命艇を出すなど、乗組員の救助活動を行う。この中で、海に転落した人を助けようと、海に飛び込み、命を落とした。翌朝、遺体が救命艇とともに、日高町に流れ着いた。保管庫には、中央部分が壊れた救命艇とともに、当時の様子やクヌッセンのことが紹介されている。保管庫は普段、施錠されているが、日高町教育委員会に申請すれば、展示物などの見学ができる。

クヌッセン救命艇保管庫

クヌッセン救命艇保管庫

壊れた救命艇

壊れた救命艇

木々が茂る道路わきに「キララ・ときめきロード」の案内がある。有田市から御坊市までの7市町と、現在地が記されている。
日高町にある看板

日高町にある看板

◇由良

由良町にはかつて造船所があった。今はドック、「MES由良ドック」が大型船の修理やメンテナンスを行っている。写真の背後の大きなクレーン群がそう。また、由良町はその地形から、釣り人気が高い。海釣り公園もあり、ここでは、海上釣堀(つりぼり)や筏(いかだ)でも釣りが楽しめる。

由良海釣り公園前で

由良海釣り公園前で

由良海釣り公園

由良海釣り公園

◇広川

広川町といえば、西広海岸。広川町に来る度に訪れているが、毎回違った様相を見せてくれる。今回は、潮が引いた砂浜に、サギがたくさんいた。そして、背後の山の尾根伝いには、風力発電の風車が並んでいる。

西広海岸で

西広海岸で

西広海岸のサギ

西広海岸のサギ

広川町といえば風車でもある。支柱をさわれるところまで近づける(施設を公開している)町営風力発電所に立ち寄った。3枚羽根の風車で、羽根は1枚30メートル。風車の最高到達点は地上100メートル。これを真下から見上げると、なかなかに大迫力だ。風力発電風車だから、風の強さによって回転スピードは変わるし、風上方向に向く。当たり前だが、女子たちには新鮮だったようだ。この風車は、三浦ちあき&五島奈津紀で2018年2月「紀美野から有田・広川、冬を楽しみ春を探す旅」でも訪れた。この時も驚いていたっけ。
広川町風力発電所

広川町風力発電所

広川町風力発電所

広川町風力発電所

「キララ・ときめきロード」の案内看板2箇所め。たちばな支援学校の近くにある。
広川町にある看板

広川町にある看板

◇湯浅

湯浅といえば醤油。醤油醸造の町で、発祥の地。湯浅で作られた醤油が全国へ。その出発地がここ大仙堀(だいせんぼり)。老舗醤油蔵「角長(かどちょう)」の北側にあり、角長とともに、日本遺産となっている。伊舞さんは、今年2月旅で、深井瞭さんともに訪れたばかり。2022年2月「湯浅、醸造の町をめぐる旅」だ。日本が鎖国していたときも、長崎の出島から輸出されていたと聞いたことを思い出す。そして、湯浅町でも「キララ・ときめきロード」の案内看板を見つけた。3箇所めだ。有田市に近い海岸の堤防の上にあった。ここにきて「もしかすると、沿線の全市町にあるのでないか?」と思い始めた。

醤油積み出し港の大仙堀

醤油積み出し港の大仙堀

湯浅町にある看板

湯浅町にある看板

◇有田

「キララときめきロード」はこのまま有田箕島漁港に向かうだけなので、この季節ならではの香りを求めて、有田みかん海道へ。みかんの花が咲いている季節(取材時/5月初旬)。果実よりも清涼感の強い甘味のある爽やかな香りだ。初夏の香りという感じ。有田みかん海道は、みかん畑を縫うように通る農道で、途中には、絶景スポットも多い。この日走ってきた中紀地方の海岸沿いを一望できたりもする。

有田みかん海道で

有田みかん海道で

みかんの花

みかんの花

有田箕島漁港に着いたのはすでに夕方になっていて、太刀魚水揚げの活気やセリは終わっていて、静かな港になっていた。岸壁には、太刀魚漁船が、港にはカラフルなリアカーが並ぶ。水揚げのタイミングでも訪れてみたい。
有田箕島漁港の漁船群

有田箕島漁港の漁船群

有田箕島漁港のリアカー群

有田箕島漁港のリアカー群

湯浅町に近い海岸道路にこの看板がある。これまで見つけた3箇所の看板とは違い、県道名(有田湯浅線)と場所(有田市高田)がメインだが、右上に「キララ・ときめきロード」の文字が見える(草で隠れてよく見えない)。
有田市にある看板

有田市にある看板

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