葛城修験と砲台跡と港町、加太を歩く旅

【加太を歩く】

「ラジオで女子旅」6年目スタートの旅は、和歌山市加太(かだ)を歩く。加太といえば、和歌山市の北西端、紀淡(きたん)海峡に面した港町という感じだろうか。実は、港あたりだけじゃなく、周囲の山も含んでいる。今回は、町中と少し山にも上る旅となる。旅女子は三浦ちあきさん(写真右)と伊舞なおみさん。全編歩き旅は三浦ちあき&五島奈津紀の「和歌の浦をひとめぐり、絶景の小径を歩く旅」以来、約2年ぶり2回目。距離は、この時と同じ約5キロ。友ヶ島(ともがしま)を望む、加太海水浴場の砂浜から旅が始まる。

加太海水浴場

加太海水浴場

☆番組は、ここから聞くことができます。

7月・8月は海水浴場としてにぎわうが、今はまだ静かで、人の姿もまばらだ。「海に来たら、波打ち際に行き、水をさわる」のが番組のルールらしい(三浦さんが言った)。海の水は、それほど冷たくはなかった。季節はちゃんと進んでいる。
加太海水浴場

加太海水浴場

海の水をさわってみる

海の水をさわってみる

【町歩き】

さぁ、町歩きを始めよう。と、海水浴場から出発したが、実は、ロケではまず昼食タイムに。海水浴場から歩いて数分、路地を入ったところにある古民家をリノベーションし、3年前にオープンした人気のレストラン「SERENO(セレーノ)-seafood&cafe-」へ。

SERENO前で

SERENO前で

SERENO店内

SERENO店内

三浦さんは定番のランチ、伊舞さんはタコスを注文した。どちらも地元で水揚げされた新鮮な魚介が使われていて、おいしい。みなさんもどうぞ。さぁ、今度こそ、旅を始めよう。
SERENOでランチ

SERENOでランチ

SERENO前から再スタート

SERENO前から再スタート

2人が持っているのは、加太観光協会が地元の子どもたちの協力を得て作成し、観光案内所や観光施設などで配布している「加太淡嶋(あわしま)温泉てくてくマップ」。加太観光協会のホームページからもダウンロードできる。町中にも、このマップの番号表示などがあり、どちらにもわかりやすい。そして、「5番道しるべ」にやってきた。
道しるべ前でマップ確認

道しるべ前でマップ確認

道しるべの文字を確認

道しるべの文字を確認

道しるべの文字を探る女子たちだが、よくわからないまま終了。よ~く見ると「あわしま」や「わかやま」の文字がわかる。
名代とは名物のこと

名代とは名物のこと

残っていた!あげパン

残っていた!あげパン

道しるべ近くにある伊舞さんオススメのあげぱんのお店「キシモト商店」へ。店頭にある「名代(みょうだい)」は「名物」のことだと、店主の岸本英明(きしもと・ひであき)さんに教えてもらった。地元のパン屋さんとして、約100年。今は、あげぱんだけで、1日に何度か揚げているという。そして、揚げたてがおいしいとのことなので、ぜひ、立ち寄ってみて。午前中が狙い目らしい。女子たちは、店の前のベンチであげぱんを食した。昼食後まもなくだったが、ペロリと完食。
店主の岸本英明さんと

店主の岸本英明さんと

キシモト商店のあげパン

キシモト商店のあげパン

【修験道はじまりの地】

日本遺産「葛城修験(かつらぎしゅげん)―里人(さとびと)とともに守り伝える修験道(しゅげんどう)はじまりの地」をテーマにして、2020年11月に伊舞なおみ&柳橋さやかで修行の旅をしたことがある。「日本遺産『葛城修験』で“プチ修行”の旅」だ。伊舞さんは、すごい階段を上ったこと(橋本市の不動山635段)が印象的に記憶されていたようだ。「修験道はじまりの地」は、ここがスタート地点ということではなく、「葛城修験」が、修験道の「はじまりの地」ということ。修験道の開祖、役行者(えんのぎょうじゃ)が最初に修行をした場所といわれ、友ヶ島の虎島(とらじま)には、第一経塚がある。

加太春日神社へやってきた

加太春日神社へやってきた

加太春日神社

加太春日神社

てくてくマップ6番の加太春日神社に参拝し、鯛の形をした「めで鯛みくじ」をひく。三浦さんが「大吉」、伊舞さんは「末吉」。めで鯛みくじの鯛は5色あった。赤が多いが、ピンク、水色、黒、それにゴールドもあった。ゴールド以外、南海電鉄の加太線を走る観光列車「めでたいでんしゃ」と色が一致している。どちらが先かはわからないが、めでたいでんしゃの5編成目がゴールドになるのでは?と女子たち。それはわからない。
めで鯛みくじなど縁起物

めで鯛みくじなど縁起物

おみくじを見る

おみくじを見る

あちこち見ながら町歩きを続け、今度は港の方へ。向丁(むかいじょ)自治会館と書かれた建物の壁に大きな獅子舞の絵を見つけたからだ。てくてくマップ10番。加太春日神社の5月の例祭(渡御祭、えび祭り)に地元の青年団によって奉納される獅子舞。この獅子には男女があり、壁画は女獅子(めんじし)。壁画も青年団が手がけ、2020年11月に描き上げたという。
町歩きの女子たち

町歩きの女子たち

自治会館の女獅子壁画前

自治会館の女獅子壁画前

「役行者堂」と彫られた大きな岩と、先が見えない上り階段を見つけた。「修行だろうか」などと言いながら登っていく女子2人。ここも日本遺産「葛城修験」の史跡だ。
葛城修験と書いてあるぞ

葛城修験と書いてあるぞ

役行者堂の石碑がどーん!

役行者堂の石碑がどーん!

てくてくマップ11番。行者堂は「海と友ヶ島と夕日がとてもきれいに見えます」とのこと。
石段を登っていく

石段を登っていく

117段を登り切った

117段を登り切った

健脚の2人は、117段を登りきり、「阿字ヶ峰(あじがみね)行者堂」にお参り。振り返ると、加太の町と友ヶ島などの紀淡海峡の景色が一望できた。展望スペースにはベンチや、場所の説明書きがある。少し休憩しよう。
阿字ヶ峰行者堂にお参り

阿字ヶ峰行者堂にお参り

景色を楽しむ女子たち

景色を楽しむ女子たち

【砲台跡】

行者堂から降り、加太淡嶋神社近くから、再び山道を登る。目的地は、和歌山市立青少年国際交流センター。長年、加太少年自然の家として親しまれてきた施設が、2018年12月にリニューアルされた。野外活動もでき、宿泊設備もある青少年の研修施設だが、今回は、研修目的ではなく、敷地内にある加太砲台関連史跡などの見学をする。センターには、車でも行ける(駐車場もある)が、道が狭いこともあって、今回は歩いて上った(登った)。加太淡嶋神社近くには、約700メートル登ると書かれていた。徐々に無口になっていく女子たち。

厠(トイレ)跡

厠(トイレ)跡

弾廠(砲弾準備室)跡

弾廠(砲弾準備室)跡

登り道の途中や、センターの入口付近にも加太砲台の関連施設が点在する。ゲートを入ると桜吹雪が迎えてくれた。
国際交流センターへ

国際交流センターへ

散る桜がきれいだ

散る桜がきれいだ

施設内の見学などは、施設利用者じゃなくても、誰でもできるが、センターで受付の必要があり、日中(開放期間は季節により異なる)に限られる。受付で、マップをもらった。まずは、「みはらしの丘」をめざす。
施設案内図がある

施設案内図がある

管理棟と広場

管理棟と広場

山道を登っていく。鳥の声が聞こえる。木には名札が掛かっている。何かの建物が見えてきた。コンクリート製の弾薬庫のようだ。そして、この上に「みはらしの丘」がありそうだ。
遊歩道を歩いていく

遊歩道を歩いていく

何か建物が見えてきた

何か建物が見えてきた

弾薬庫にやってきた

弾薬庫にやってきた

弾薬庫跡

弾薬庫跡

それまで、鬱蒼とした山道だっただけに、この見晴らしは驚く。360度見渡せる展望所で、芝生広場と休憩所がある。友ヶ島の地ノ島(じのしま)、虎島、沖ノ島(おきのしま)が横一列に見える。風が心地よい。
みはらしの丘

みはらしの丘

みはらしの丘からの眺望

みはらしの丘からの眺望

さぁ、もうひとがんばり。田倉崎(たぐらざき)砲台跡がある「家族の広場」をめざして、さらに山道を上っていく。
つり橋を渡る伊舞さん

つり橋を渡る伊舞さん

弾薬庫らしきを眺める

弾薬庫らしきを眺める

そこに吊り橋があれば渡る。弾薬庫があれば中を見る。それが伊舞さん。
案内ボード

案内ボード

案内標識

案内標識

史跡の脇には、説明やイラストがある。学びながら遊べて、リフレッシュできる。家族で楽しめる場所とわかる。
加太砲台の説明ボード

加太砲台の説明ボード

案内のイラスト

案内のイラスト

歴史は色々あっただろうが、今は、平和な憩いの空間になっているのは素敵なことだ、と、しみじみ。
田倉崎砲台跡

田倉崎砲台跡

砲台跡

砲台跡

色んな遊具があり、子ども主体だが、大人が楽しめるものもある。ターザン(遊具名は「ターザンロープ」らしい)になる女子たちの姿も見られた。
三浦さんターザンになる

三浦さんターザンになる

家族の広場の遊具

家族の広場の遊具

【終点】

女子2人は、山を降りて、加太淡嶋神社に参拝。そして、旅の終点は、ここ、太平洋自転車道の終点だ。千葉県銚子市をスタートし、この場所まで、約1,400キロの海岸沿いの自転車道のゴールで、モニュメントがある。去年(2021年)3月末に完成したばかり。モニュメントの上にタイヤ溝があり、自転車を乗せて記念撮影ができるようになっている。女子2人もゴール感満載で記念撮影。自転車には乗っていないけれど、よく歩いて、ここにゴールしたから。

加太淡嶋神社の顔はめボード

加太淡嶋神社の顔はめボード

自転車道終点記念碑

自転車道終点記念碑

今回の旅では、色んな場所から友ヶ島を望む場面があった。和歌山市出身の漫画家、田中靖規(たなか・やすき)さんの「サマータイムレンダ」(コミック配信などは終了しているが、今月からテレビ放映が始まった)の舞台として、注目が集まっている場所で、対岸の加太も熱い。友ヶ島もあわせて加太散策はオススメ。


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