【西山ミスト】
夏は暑いものだが、今年の8月はひときわ猛暑となった。今回は涼を感じる旅。旅女子は、前回(2020年7月)に続いて三浦ちあきさんと伊舞なおみさん(写真右)。舞台は伊舞さんのふるさとに近い美浜町と由良町。という訳で思い出も話題に上る。まずは涼しげな景色を見て、旅のスタートにしようと、西山ピクニック緑地へやってきた。天気が良ければ煙樹ヶ浜を眼下に、中紀の山々などぐるりと一周の眺望が楽しめる場所だ。
視界真っ白
☆番組は、ここから聞くことができます。
西山ピクニック緑地は、日高町と美浜町との境にある標高328.7メートルの西山の山頂広場。煙樹(えんじゅ)海岸県立自然公園に指定されている自然豊かな場所。緑地として整備された頂上からは、東に日高平野、南に煙樹ヶ浜(えんじゅがはま)、西に比井崎(ひいざき)海岸と紀伊水道が一望でき、晴れた日には、はるか四国や大鳴門橋、高野連山を望むことができるという。観光マップもある。天気が良ければ…。
西山は雲の通り道
西山観光マップ
女子2人は西山ピクニック緑地の南の端、美浜町側に立ち、眼下の煙樹ヶ浜を楽しみにしていたが、訪れた日は低い雲の通り道になっていて、視界は真っ白。何も見えない!天気が悪かったわけではなく、このあたりがたまたまそういう気象状況だっただけ。遠く下の方から海の音は聞こえている。ただ、これだけの話だと、今回の旅は前途多難の様相だが、緑地に降り立つと涼しかった。標高だけなら下界と2度ほどしか違わない計算だから涼しさを感じるところまではいかないはず。この雲の流れが、天然のミスト効果を発揮してくれたようだ。よしよし。
西山ピクニック緑地で
煙樹海岸を一望
せっかくなので、天気が良いバージョンの景色(写真)も載せておく(少し夕焼け色がかっている)。
2017年6月旅「有田・日高、山をめぐり海をめざすドライブ旅」(三浦ちあき&峪仁美)の時に撮影したもの。
【戸津井鍾乳洞】
和歌山県に鍾乳洞があることはあまり知られていない。由良町の白崎海洋公園から衣奈(えな)方面に向かったところの高台に県内最大の鍾乳洞がある。全長100メートル程度という国内最小クラス。鍾乳洞としてイメージされるダイナミックな景色は望めないが、小さな鍾乳洞は小さいなりに楽しみがある。伊舞さんは、子どものころに来たことがあるといい、色んなことが思い出された様子だった。
戸津井鍾乳洞へ
戸津井鍾乳洞前で
夏の強い日差しと、蝉時雨が降り注ぐ中、洞窟の入口へ近づいていく女子2人。入口のトンネルから冷気が流れ出してくる。そして、トンネルの階段を下るにつれ、ぐんぐん気温が下がっていく。ノースリーブの三浦さんは肌寒さを感じ始めたようだ。階段を降り切ったところがエントランスで、鍾乳洞の地図がある。面白い名まえがつけられた岩があるようだ。
いざ鍾乳洞へ
エントランスにはマップ
いざ洞窟へと入っていく。滴る水(石灰水だろうか)、狭い洞窟の通路(狭い狭い)、壁面がひんやりしている(さわれちゃう)…。2億5000万年以上前、ベルム紀の石灰岩洞窟だという。大正から昭和初期に石灰岩の採石場として利用され、一時期の閉鎖を経て、鍾乳洞として公開されている。洞窟内は年間を通じて、ほぼ15度だという。外気温が30度なら15度、35度なら20度も低いことになる。そりゃ肌寒いはずだ。通常は土曜日曜祝日のみの公開だが、子どもたちの夏・冬・春の長期休みには連日公開となる。訪問の際は問い合わせてみてほしい。
鍾乳洞の洞窟へ
鍾乳洞の中で
鍾乳洞から出てくると、体が冷えていたせいか、さほど暑さを感じないから不思議だ。そして、西側の展望が開けていることに気づいた。海まで見通せる絶景。西山ピクニック緑地で見られなかった分ここで楽しんでおく(見ている方向は違うんだけど)。正面にある島は十九島(つるしま)、通称スヌーピー島なのだが、この眺めだとスヌーピーには見えない。スヌーピーのお尻…にも見えないなぁ。
スヌーピーのお尻と
スヌーピー島をまねる
スヌーピー島の写真も載せておく。
2018年5月旅「広川・由良、新緑と初夏の香りと白い岬をめぐる旅」(三浦ちあき&伊舞なおみ)で訪れた際のもの。1年あまり前の同じコンビでの旅。若く見えるのは気のせいか(内緒だよ)。
【由良ちゃんぽん】
お昼ご飯は「由良ちゃんぽん」。美浜・日高・由良の3町がタッグを組んでそれぞれの名物丼をYouTubeで紹介するどんぶリーマンシリーズ第5弾で取り上げられている。由良町内の2軒のお店で提供されているが、今回はボリューム満点と評判の大川(お好み焼き大川)へ。野菜たっぷり、魚介もたっぷりの醤油ベースのあんかけちゃんぽん。暑い季節には体が求めるこってり系がおいしい。寒い季節には温まること間違いなし。
大川の由良ちゃんぽん
大川博之さんに聞く
お店の大川博之(おおかわ・ひろゆき)さんに話を聞いた。お好み焼き店としてスタートした大川だが、お客さんにご飯ものを求められることが多いことからお父さん(先代/現役)が中華料理の修行に出かけ、メニューの幅を広げ、その際ちゃんぽんも作るようになり、1年ほど前に町の名物「由良ちゃんぽん」として売り出しているという。お店の前で先代・次代の皆さんも交えて記念撮影。屋根に「コーヒー」とあるのは、喫茶店もしていたころの名残だとか。涼を感じるには体を温めないと、と伊舞さん(ほんとか)。
お店の前で記念撮影
Project24:どんぶリーマンvol.5 由良ちゃんぽん編(由良町/お好み焼き大川&満来軒)
どんぶリーマンシリーズは、
2019年12月旅「由良・日高・美浜、海の絶景と名物丼をめぐる旅」(三浦ちあき&柳橋さやか)でも取り上げた。
【煙樹ヶ浜】
真打ちの煙樹ヶ浜に向かう。旅のスタートで俯瞰できなかったけれど、すっかり天気も回復し、西山も見えている。浜に降りる前に、近くの御崎(みさき)神社に参拝する。海岸沿いの道路を挟んで鳥居があり、社(やしろ)の前にも鳥居がある。美しい佇まいだ。女子2人は、砂利を踏みしめて境内を進んでいく。
御崎神社
御崎神社に参拝
拝殿の脇に県木、ウバメガシの老樹があった。県の天然記念物で、樹齢は1200年ともいわれている。女子2人はパワーをもらう。そして振り返ると、直線道路の先に煙樹ヶ浜が見える映え景色に気づき、思わず声をあげた。
ウバメガシの老樹
振り返ると絶景
写真を撮りたいから歩いていくという女子2人。徐々に海が近づいてくる。
海まで歩いていく女子
海が近づいてきた
浜に降り立った女子2人。子どものころは自転車でよく来ていた、大好きな場所という伊舞さん。遠浅ではなく直深(すぐふか/そんな言葉あるの?)なので遊泳は禁止されている。砂浜ではなく砂利の浜で、波打ち際が近づくと、急に波の音が大きくなる。小石を転がす音が美しく涼やかだ。煙樹ヶ浜は、日高川の河口からおよそ4キロにわたって弓なりに続く海岸で、背後の松林とともに煙樹海岸として林野庁の「日本の白砂青松(はくしゃせいしょう)100選」に和歌山県内では唯一選ばれている。この松林は、初代紀州藩主の徳川頼宣(とくがわ・よりのぶ)が防潮林として植えさせたものといわれている。幅500メートル、延長は6キロに及ぶ。番組のラストは松林の中のベンチで旅を振り返った。
煙樹ヶ浜へ
松林で旅を振り返る
放送の前日(8月28日)から全国公開となった映画「ソワレ」にも登場する煙樹ヶ浜と、子どもたちがペイントした堤防。そして、チラシなどにもなっている主演の2人が煙樹ヶ浜を歩くシーンを女子2人で再現する「ソワレごっこ」をしてみた。実は、伊舞さんとADたなしん(田中慎也さん/写真左)は、映画にも少し出演している。それはともかく、素敵な映画なので、ぜひ観てほしい。
ペイントされた堤防
ソワレごっこ
映画「ソワレ」
© 2020ソワレフィルムパートナーズ
俳優を目指して上京するも結果が出ず、今ではオレオレ詐欺の受け子で食い扶持を稼ぐ翔太(村上虹郎)。ある夏の日、故郷・和歌山の海辺にある高齢者施設で演劇を教えることになった翔太は、そこで働くタカラ(芋生遥)と出会う。数日後、祭りに誘うためにタカラの家を訪れた翔太は、タカラが刑務所帰りの父親から激しい暴行を受けている現場に直面する。咄嗟に止めに入った翔太と、それを庇い父親を刺してしまったタカラ。そこから2人の逃避行が始まる。
去年(2019年)夏、御坊・日高地域と和歌山市で撮影された。和歌山県民にとっては、見慣れた場所が見たこともないような美しさと存在感を持って映し出される感動もある。
俳優の豊原功補と歌手・女優の小泉今日子、それに、監督の外山文治が立ち上げた新世界合同会社の第1作としても注目の作品。8月28日から全国公開された。公式ホームページはこちら。
【寄り道】
放送には登場しないが、煙樹ヶ浜を訪ねる前に立ち寄った。煙樹ヶ浜の続きの海岸にある潮吹岩。潮が吹いていたら、寄り道ではなくなっていたはず。煙樹ヶ浜を日の岬方向へ少し行くとある。県道24号沿いに案内があるから通る機会があれば見てみて。せっかくなので、潮吹きの写真も載せておく(今回このパターン多いな)。2013年12月「ラジオで和歌山~発見!お宝!美浜町~」の取材で撮影したもの。
潮吹岩を見るが…
潮吹岩の潮吹き
潮吹岩近くに駐車場があり、そこに観光案内マップがある。かなり年季が入っているが名所が網羅されている。
美浜町観光マップ
関連リンク
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