田辺、『新しい』をめぐる旅

【 武道館 】

田辺市の扇ヶ浜公園から旅が始まる。旅人は、三浦ちあきさん(写真左)と柳橋さやかさん。このコンビで20回以上の旅をする仲良しコンビだ。三浦さんといえば、インターハイにも出場した経験を持つ陸上女子のイメージだが、最近は、毎日のようにブラジリアン柔術のジムに通って、鍛えているのだとか。「強くなりたい、強くならなきゃ」と話し、すっかり武闘家の風格で、来年(2026年)は試合にも出るのだとか。今回は、そんな、武道家だか、武闘家だか、武闘派ちあきが、合気道と出会う旅でもある。

扇ヶ浜公園を歩く2人

扇ヶ浜公園を歩く2人

☆番組は、ここから聞くことができます。

思えば、今年6月の旅もここ、田辺市の扇ヶ浜が出発地だった。「垢離場をめぐり、熊野本宮大社を訪ねる旅」(柳橋さやか&関陽菜子)で、この時は、ビーチからスタートし、本宮を目指したが、今回は、それほど移動はしない。まずは、扇ヶ浜公園の松林を歩き、植芝盛平(うえしば・もりへい)の銅像を目指す。植芝盛平は、田辺市出身で、合気道の開祖として知られる人物だ。2人は、銅像にあわせてポースをとる。そんな2人の前に、真新しい建物がある。
植芝盛平銅像のポーズを

植芝盛平銅像のポーズを

田辺市立武道館がある

田辺市立武道館がある

田辺市立武道館は、鉄筋コンクリート3階建てで、2020年10月に竣工した。田辺市には、1971年に和歌山県で開催された黒潮国体にあわせて建てられた旧武道館が、天神崎の近くにあったが、老朽化などにより、ここに建て替えられた。海岸近くという立地から、南海トラフ地震などにより津波が発生した場合の緊急避難場所という役割もあるという。そして、武道館内には、植芝盛平記念館が併設されている。

女子2人は、銅像前から階段をのぼり、田辺市立武道館へ。2階が入口となる。植芝盛平記念館の五味田潤一(ごみた・じゅんいち)次長が迎えてくれた。武道館に入ると、メインアリーナの扉が開いていて、赤と黄色の競技場が見えていた。スタッフが収録の準備をしている間、許可を得て、女子2人はアリーナの畳の感触を確かめ・・・、いや違うな、キャーキャー言う声だけが漏れてくる(笑)

ファイティングポーズ?

ファイティングポーズ?

何かやってるぞ!?

何かやってるぞ!?

まずは、武道館について教えてもらう。武道専用の体育館、競技場として、メインアリーナとサブアリーナがあり、植芝盛平記念館がある。武道とは、柔道、剣道、合気道、空手、少林寺拳法などを指す。子どもから大人まで、競技会や練習、合宿などで使用されているという。植芝盛平記念館は世界初という。

話は前後するが、植芝盛平は、武蔵坊弁慶(むさしぼう・べんけい)、南方熊楠(みなかた・くまぐす)とともに、田辺の三偉人のひとりとしても知られる。そういえば、この2人で、「田辺、弁慶を訪ねる旅」をしたのを思い出す。この時は、JR紀伊田辺駅前の弁慶像の前から旅が始まった。ちょうど2年前のことだ。これは、もう三偉人をコンプリートするしかない。それは、次の機会となる。

植芝盛平記念館へ

植芝盛平記念館へ

「吾勝(あがつ)」

「吾勝(あがつ)」

記念館では、植芝盛平という人物とともに、合気道について学ぶことができる。豊富な展示物と丁寧な説明文、それに、映像や資料もある。ここにしかない貴重な資料もあり、半年ごとに展示替えをしているとか。放送では、ほんの少しの紹介だけになってしまったが、ぜひ、実際に訪ねてほしい。
植芝盛平記念館の展示

植芝盛平記念館の展示

記念館内映像展示

記念館内映像展示

女子2人は、記念館へ。ちなみに今回、案内をしてくれた五味田さんは、盛平翁の弟子のひとりだったお父さんの影響で、3歳から合気道を始め、現在6段という。案内してもらっている途中にわかり、女子2人は驚きまくる。「やさしいお兄さんだと思っていたのに・・・」って、ちょっとちょっと三浦さん、合気道6段とやさしいお兄さんは共存できるからね。五味田さんも苦笑していた。
三浦さんが合気道体験

三浦さんが合気道体験

三浦さんが合気道体験

三浦さんが合気道体験

入るとすぐに、壁に光る文字で「勝吾」と浮き出していた。「吾勝(あがつ)」と右から読むのだと教えてもらった。「自分に勝つこと」、「普段から練習を怠らないようにしなさい」などの意という。女子たちは、「吾勝になっている」「吾勝になっていない」「吾勝になろう」などと話したが、この使い方が正しいのかどうか。また、ビデオカメラと映像、スクリーン、ステージを活用した体験コーナーもあった。武闘家ちあきが体験してみた。五味田さんのサポートを受けながらだったが、なんだか動きがかなり怪しいぞ。
盛平翁と五味田次長と

盛平翁と五味田次長と

五味田次長と女子2人

五味田次長と女子2人

合気道について、女子たちは、実際に見たことがなかったため、記念館見学のあと、メインアリーナで、五味田6段、実技体験させてもらった。放送には出なかったが、写真で少し紹介する。
柳橋さん合気道体験

柳橋さん合気道体験

柳橋さん合気道体験

柳橋さん合気道体験

体験というか、女子たちが挑んでみたが、軽く笑顔でかわされてしまった。武道家ちあきの本気も全く通じず。さすがだ。
三浦さん合気道体験

三浦さん合気道体験

三浦さん合気道体験

三浦さん合気道体験

【 おや、こんなところに 】

田辺市湊(みなと)、闘鶏神社近く、アオイ通りなどがヒントになる。少し狭い路地を入っていくとある。まさに「おや、こんなところに」感がある。Oyakon Cefe と Laundry(オヤコンカフェとランドリー)でランチ。

カフェ外観

カフェ外観

カフェ店内

カフェ店内

オーナーの浜口彩歌(はまぐち・あやか)さんのご主人が、数年前からインスタグラムのストーリーに「おや、こんなところに(で)」という画像などをアップしていたのがきっかけで、色んな人に利用してもらおうとオープンし、まもなく2年になるというお店。週替わりランチプレートを注文。ボリュームたっぷりでおいしかった。チーズケーキも頼んだ人がいる・・・。
週替わりランチプレート

週替わりランチプレート

チーズケーキも注文

チーズケーキも注文

Oyakon Cefe と Laundry(オヤコンカフェとランドリー)は、ランドリー、コワーキング、レンタルスペースなどがあるカフェだ。そう、いろいろある、使えるカフェなのだ。夜カフェ営業もしているとか。この設えも、営業スタイルも、新しい。
オーナーの浜口さんと

オーナーの浜口さんと

女子2人のメッセージも

女子2人のメッセージも

【 新市庁舎 】

田辺市役所といえば、海の近く、扇ヶ浜の目の前に、紀南文化会館とともにあり、和歌山放送・田辺支局からも近いというのが定説だったが、このうちの田辺市役所が、去年(2024年)5月、高台移転を果たした。紀南文化会館は、移転はしないが、老朽化対策として、来年度(2026年度)から大規模改修工事に入るという。新しい田辺市役所庁舎は、地名でいえば、田辺市東山(ひがしやま)、シティプラザホテル跡地にそびえている。鉄筋コンクリート造り、地上6階建て。旧庁舎の老朽化対策とともに、南海トラフ地震津波などで被災せず、防災拠点となれるよう、高さと強さを持った庁舎に生まれ変わった。元の場所から、そんなに遠くではない、まちなかでありながら高さのある場所が選ばれたようだ。

田辺市役所の正面玄関

田辺市役所の正面玄関

田辺市役所内へ

田辺市役所内へ

市役所の正面入口は3階。1階は駐車場がメインだが、もちろん入口もある。案内カウンターなどは3階。入ると吹き抜けと、大きな階段、それに、カフェもある。市民の窓口や市職員の仕事場もあるが、大きな一部屋という感じだ。最近の市役所・役場庁舎の特徴で、オープンフロアというそうだ。そして、大階段は5階の市長室前まで伸びているという。紀州材が多く活用されているからか、市役所庁舎という固いイメージがある建物だが、温もりが感じられる。総務部の北山裕規(きたやま・ゆうき)庶務係長に案内をお願いした。放送での取材は初めてということだったが、そんなことは感じさせない。さわやかでわかりやすい。
玄関入ると吹き抜けと階段

玄関入ると吹き抜けと階段

北山さんの案内で展望テラスへ

北山さんの案内で展望テラスへ

開かれた市庁舎、用事がなくても市民に立ち寄ってもらいたい市役所とうのが、コンセプトにあるのだとか。テーブルやイスが随所に配され、自由に使えるらしい。Wi-Fiも使える。そして、最上階6階には、市民展望テラスがある。田辺市内を一望できるオススメの場所という。階段は5階までなので、最上階へはエレベーターを使う。セキュリティ上そういう造りになっているという。6階には、議場や資料室もある。
市庁舎北側の展望

市庁舎北側の展望

市庁舎南側の展望

市庁舎南側の展望

展望テラスは、北側と南側それぞれにある。扇ヶ浜や文里(もり)といった田辺市の海岸部や、白浜まで見通せることから、南側が人気と思われる(知らんけど)。テラスは、特に市民の交流の場となっていて、平日は、下校途中の高校生が、電車の時間待ちに立ち寄ったりすることも多いらしい。用事がなくても立ち寄ってといわれても、そうそう行く機会はないと思われるのが市役所だが、番組としては、待ち合わせ場所としての利用を提案したい。駐車場もあり、2時間無料。カフェもあり、Wi-Fiも使えて、施設が新しく、安全面もバッチリなのだから。余談だが、駐車場料金は2時間無料のあと、1時間ごとに100円という。素晴らしいを超えて、スゴイ料金設定だ。これを「新しい」と言いたい。
景色の案内を聞く女子たち

景色の案内を聞く女子たち

展望テラスで北山係長と

展望テラスで北山係長と

収録取材の日は、曇天から雨模様となった。市庁舎自慢の展望テラスからの晴れた日の眺望も、ぜひ見てみたい。また訪ねよう。


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