田辺、弁慶を訪ねる旅

【弁慶】
田辺市の玄関口、JR紀伊田辺駅。2019年7月、駅舎が新しくなり、イメージが変わった。紀伊田辺駅といえば、駅前の弁慶(武蔵坊弁慶/むさしぼう・べんけい)の大きな銅像が有名だ。今回は、田辺市で弁慶ゆかりの地を訪ねる。旅女子は、三浦ちあきさん(写真左)と柳橋さやかさん。

紀伊田辺駅前

紀伊田辺駅前

☆番組は、ここから聞くことができます。

駅前の弁慶像は、高さ3メートル、重さは2トンもある。1971年に建てられ、半世紀以上この場所に仁王立ちして、住民や観光客らを見守っている。弁慶像の前のスペースは弁慶広場という。かつて、和歌山放送のラジオチャリティ・ミュージックソンの田辺市のオークション会場だったりする。女子たちは、弁慶広場から凜々しい弁慶の姿を見上げたあと、台座に説明書きがあることに気づき、読んでみる。田辺市生まれと書いてある。
弁慶像の前

弁慶像の前

弁慶像の説明

弁慶像の説明

10月の弁慶まつり、11月には弁慶映画祭、月に1度の朝市は弁慶市。弁慶松に、弁慶観音、弁慶商店街。飲食店には弁慶の名を冠したメニューがあり、お菓子もある。建物の壁には弁慶のイラストあったり、ゆるキャラは弁慶をモチーフにした「たなべえ」と、田辺の街は弁慶だらけだ。「田辺の人たちは、きっと、弁慶さんが大好きに違いない」女子2人は確信した。
紀伊田辺駅前

紀伊田辺駅前

顔出しボード

顔出しボード

紀伊田辺駅舎の隣には田辺観光市センターがある。一体的に整備されたようになじんでいるが、観光センターは2013年9月のオープンだ。また、駅舎にはコンビニが入り、駅周辺には新しくカフェができていたりと、全体的にイメージが変わっていることは事実だ。観光センターの前には、顔出しボードがあった。あれば顔をはめてみるのは当然。なぜそんな顔?という2人。そして、ロケ日が明らかに。
闘鶏神社鳥居前

闘鶏神社鳥居前

世界遺産の石版

世界遺産の石版

紀伊田辺駅から歩いて10分ほど。熊野参詣道・大辺路として、世界遺産登録されている闘鶏神社へ。大きな鳥居が建ち、世界遺産の石板もある。長澤好晃(ながさわ・よしあき)宮司に神社について、弁慶について、教えてもらう。
長澤好晃宮司に聞く

長澤好晃宮司に聞く

湛増・弁慶親子像

湛増・弁慶親子像

創建は419年で、1600年以上の歴史がある。その後、熊野の別当家が管理するようになり、新熊野権現社(いまくまのごんげんしゃ)となった。熊野三山の別宮ともいわれた。源平合戦の頃、熊野水軍の実質的な長でもあった熊野の別当、湛増(たんぞう)が、源氏と平家のどちらに付くかを、この神社の前で、鶏合わせの神事を行って決めた。白い鶏は源氏、赤い鶏は平家に見立て、7番勝負。白い鶏が7戦全勝し、湛増は源氏方に味方することを決め、200隻、2000人を率いて壇ノ浦に赴いたという。平家物語に登場する神社。以来、鶏合わせの宮、闘鶏神社と呼ばれるようになり、明治期の神仏分離の際に闘鶏神社と改めたという。その湛増の子が弁慶で、境内には、鶏合わせの神事を見守る親子像が立つ。10月の弁慶まつりでは、鶏合わせの神事などが演劇で上演されるのだとか。
闘鶏神社・長澤好晃宮司と

闘鶏神社・長澤好晃宮司と

闘鶏神社に参拝

闘鶏神社に参拝

闘鶏神社の鳥居前に、湛増が開いたとされる寺がある。大福院だ。小さな寺の境内に石碑がひっそりと立つ。知らないと見過ごしがちな石碑だが、そこには「弁慶誕生の地」とある。弁慶は、この場所で生まれたといわれる。
大福院

大福院

弁慶誕生の地の碑

弁慶誕生の地の碑

闘鶏神社や大福院からあるいて10分ほど、田辺市立第一小学校のグラウンドのそばに、地元で、祇園さんとして親しまれている八坂神社がある。疾病平癒のために創建された京都の八坂神社を元として、全国につくられた神社の一つ。女子たちは、小さな鳥居をくぐって、小さな神社の境内に入る。
八坂神社前

八坂神社前

八坂神社へ

八坂神社へ

境内の隅に、丸い窪みがある横長の岩(石)がある。弁慶腰掛けの岩(石)だ。少年弁慶が腰掛けた跡といわれる。男の子が生まれると弁慶のように立派に育つようにと、この岩(石)に座らせるらしい。男の子ではないが、女子2人が座ってみた。柳橋さん「ジャストフィット」、三浦さん「座りやすい」とのこと。皆さんも、ぜひ、試してみてほしい。
柳橋さやか座ってみた

柳橋さやか座ってみた

三浦ちあき座ってみた

三浦ちあき座ってみた

女子2人は、神様の前ではしゃいでしまったことを反省し、神妙な面持ちで参拝した。
弁慶腰掛けの岩(石)

弁慶腰掛けの岩(石)

八坂神社に参拝

八坂神社に参拝

【うつぼ】

田辺地方の秋冬の味覚「うつぼ」があると聞き、和風レストラン「銀ちろ」塔の内店を訪ねた。社長の保田英雄(やすだ・ひでお)さんが迎えてくれた。唐揚げが一番人気で、次いで、たたき。鍋料理も人気と聞く。聞けば、うつぼは一年中食べられるが、寒い季節に鍋料理として多く食べられることから秋冬メインと思われがちなのではないかという。うつぼは、海のギャングとも呼ばれ、見た目が恐く、釣り人などにとって厄介者だが、漁師などは昔から食べていたらしい。30年あまり前に、地産地消で新メニューを探した際、この地域のいくつかの店舗でうつぼ料理を出すようになったのだとか。大きいこともあり、下準備として、下ろすのが大変で、時間もかかり、技術も要るが、コラーゲンも多く、食べやすいのだとか。初めて食べる女子2人は、恐る恐る箸をのばしたが、弾力のある食感とともに、おいしいと話した。オススメだ。

うつぼの唐揚げ

うつぼの唐揚げ

うつぼのたたき

うつぼのたたき

取材ロケ日の昼食も銀ちろで。ボリュームたっぷりの全部あり「銀ちろ定食」。こちらもとてもおいしかった。
保田英雄社長に聞く

保田英雄社長に聞く

銀ちろ定食

銀ちろ定食

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