高速スイスイ、紀南へドライブ旅

【阪和道4車線化完成】

2021年12月18日の午前6時に湯浅御坊道路の有田ICから阪和自動車道(阪和道)の印南ICまでのおよそ30kmが4車線化された。これにより、阪和道(松原IC~南紀田辺IC)のうち、松原ICから印南SA先までが4車線以上となった。新たな区間が開通したわけではないが格段に走りやすくなった。だったら走ってみようと今回は紀南方面へドライブ旅を敢行することしにした。旅女子は、三浦ちあきさん(写真右)と伊舞なおみさんの14回目の旅。ただ、今回は「紀南へドライブ」と決めただけで、ほかに縛りのないフリープランとして、出発した。そんなわけで、オープニングトークは、阪和道の車内から。車内トークで始まる旅は初めてだ。

阪和道を走行中の車内

阪和道を走行中の車内

☆番組は、ここから聞くことができます。

阪和道が国土軸と接続されたのは1993年。その時の阪和道は、現在の有田ICまで。伊舞さんが話していた通り、かつて、和歌山県の南北移動は国道42号しかなく、週末や連休などには大渋滞が発生し、大変だった。それが、今回の4車線化で渋滞はほぼなくなった。隔世の感がある。引き続き、南紀田辺ICまでの4車線化が進められる。また、南紀田辺IC以南の紀勢自動車道(紀勢道)については、現在、すさみ南ICまで開通していて、その先、すさみ串本道路が2025年春の開通を目指して建設中で、さらにその先、串本太地道路も事業化され、2021年12月25日に起工式が行われた。これが完成すれば、那智勝浦新宮道路につながる。


【串本】

和歌山ICからすさみ南ICまで高速道路を走り切り、引き続き、海岸線に沿って、国道42号を南下する。すさみ町を抜け、串本町に入った。ほどなく、串本町の観光案内マップがある駐車スペースが見えてきた。海がキラキラと輝いている。ここから、まずは串本町を旅する。行ったことがある場所、まだ行ったことがない場所など様々な名所や施設などが掲載されている。看板の右下には、串本トルコ友好のマスコットキャラクターが「まぐトル」が案内人のようにいる。三浦さんが悩んでいたが「まぐ」は「くろまぐろ」、「トル」は「トルコ」から命名されている。女子2人はまぐトルが気に入った様子だ。

串本町の観光案内板

串本町の観光案内板

串本町に入った

串本町に入った

◇和深駅

串本町には多くの観光スポットがある。それはともかく、今回はまずJR和深駅へ。知る人ぞ知る海が見える素敵な駅なのだ。駅舎が小さくてかわいい。マークもGOOD。海が近い。実は、この駅舎は2年前に新築されたばかり(木造の前駅舎が老朽化のため)。小さなゲートだけ。無人駅だから、ゲートをくぐると新宮方面行のホームに出る。JR紀勢線は新宮方面行が上り線。と、向かいのホームの先に、何かモニュメントのようなものがあることに気づく。行ってみよう。

和深駅に到着

和深駅に到着

向かいのホームに何かある

向かいのホームに何かある

だが、向かいのホームに行くには、一度駅を出て、一般道を140mほど行かないといけないようだ。道案内通り坂を下ると一般道の側壁に駅の表示がある。面白くなってきたぞ。ちなみに、かつては、上り下りホームをつなぐ跨線橋(歩道橋)があったらしい。
ホームの構造などを紹介

ホームの構造などを紹介

ホーム案内が屋外に

ホーム案内が屋外に

トンネルをくぐり、階段を上ると、和歌山方面へ(下り線)のホームに出た。
トンネルをくぐる

トンネルをくぐる

向かいのホームへ

向かいのホームへ

逆に、先ほど行った向かい側を見ると駅舎だけがある。無人駅ならではの景色だ。上り線のホームにはベンチがある。通常の線路(電車)に向かって座るベンチのほかに、逆向き、線路の背を向けるベンチがある。海に向いているのだ。夕日の名所だったりするようだ。景色に見とれて電車に乗り損なうのは三浦さんくらいではないかと思うが、景色が素晴らしいのは間違いない。
下りホームから上り側を

下りホームから上り側を

海に向かってベンチ

海に向かってベンチ

駅に着いた時に見つけたモニュメントは、下り線ホームの和歌山市側の端にある。海側にはローマ字で、ホーム側には日本語で、「たまご」「平野功二(ひらの・こうじ)」と記されている。楕円球体(たまご型)はたまごを表しているようだ。那智石という文字もある。那智の石なのか。実は、和深駅舎の壁に映画「たまご」がこの駅が舞台になったことやストーリーなど、そして、撮ったのが平野功二監督だったということが記されていたことに伊舞さんは気づいていた。映画「たまご」も気になるところだが、これを記念したモニュメントだろうと推測した。間違ってはいないが、補足しておく。映画「たまご」は2014年に紀南で撮影された高校生の青春映画とのこと。たまごのモニュメントは、紀の国トレイナートで2015年に設置されたという。

映画「たまご」
◇監督:平野功二◇出演:露詰茉悠、山下晃彦、手塚日南人、手塚奨之、嶋村有里子、硲ミヒャエル、濱口昌加◇2015年/77分
◇田辺市、白浜町、串本町、すさみ町、古座川町で撮影された。美しいだけじゃない紀南の景色が味わい深い。和深駅は作品中に何度か登場する。まだ跨線橋があるのがわかる。
◇紀南地方の高校3年生の女子生徒が主人公。演じたのはオーディションで選ばれた、当時、田辺高校2年だった露詰茉悠(つゆづめ・まゆ)。彼女が高校卒業後の選択をするまでの短い期間が描かれる。殻をやぶって巣立つという、これがタイトルか。同じくオーディションで選ばれた県内の高校生も10人程度出演しているらしい。しかし、一番驚いたのは、エンドロールの協力欄に和歌山放送があったことだ。
◇平野監督は、長野県安曇野市出身(1968年~)の写真家。現在はアメリカを拠点に活躍。知人の誘いで田辺を訪れたのをきっかけに、熊野に魅せられ、写真展を開いたり、写真集を出版したりしている。今作では、監督のほか、脚本、原作、編集、撮影をひとりでつとめた。彫刻家でもあるといい、和深駅のたまごのモニュメントも手掛けた。

たまごのモニュメント

たまごのモニュメント

たまごのモニュメント

たまごのモニュメント

JR紀勢線は、和歌山から紀伊田辺までは複線だが、それより南は単線。とはいえ、和深駅は、2本の線路があり、ホームの形状は相対式。上りと下りの2本ともいえるが、時間調整や特急などの追い越しがあるのかもしれない。電車がいいタイミングで来てくれればいいねと話していると来た!まさに絶妙のタイミング。それも特急くろしお。当然通過するものと思っていたら、停まった。乗客が乗降する停車駅ではないので扉は開かない。加えて、車両の後部がホームからはみ出している。調べたところ、この電車は、新宮発・新大阪行の特急くろしお22号とわかった。鉄道好きの伊舞さんはもちろん、このサプライズは嬉しかった。電車はしばらく停車したのち、発車した。追い越しも対向車両もなかったので、単なる時間調整なのだろう。
特急くろしおが来たぞ

特急くろしおが来たぞ

特急くろしおが止まった

特急くろしおが止まった

◇和深海岸

間近に海が見えていたことと、100mの表示(駅の上り下りホーム間よりも近い)に行ってみることにした。堤防に南紀熊野ジオパーク「和深海岸」のパネルがある。ただのきれいな海岸ではないのだと知った。

海岸が近いらしい

海岸が近いらしい

和深海岸はジオパーク

和深海岸はジオパーク

砂岩と泥岩が交互に積み重なったタービダイトと呼ばれるものがあるらしい。難しいことはわからないがそれらしき場所に向け、波打ち際に沿って砂利浜を歩いた。冬の晴れ間で寒さが緩んだ日だったので、少しのウォークで少し汗ばむ感じになった。そして、足元から崖まで人工的にレンガを積んだかのような自然の造形と出会った。これは面白い。映画やPVのロケ地になりそうな自然美だ。
和深海岸を歩く

和深海岸を歩く

レンガ岩と女子2人

レンガ岩と女子2人

女子2人はモデル気分で撮影を始めた。ディレクターはアサギマダラ(旅する蝶)を見つけた。
ポーズをとる伊舞さん

ポーズをとる伊舞さん

岩場にアサギマダラ

岩場にアサギマダラ

戻る途中、海岸の石を拾って水切りをする伊舞さん。初回見事に成功したが、三浦さんは見ていなかった(笑) そして、堤防下に小さな碑があるのを見つけた。「海に辿りつきし者は 静かに包みたまえ 僕たちの内なる海よ」と刻まれている。少し調べた限りでは何の碑かわからなかった。ご存じの方、情報求む。
水切りをする伊舞さん

水切りをする伊舞さん

堤防下に謎の碑

堤防下に謎の碑

◇サラシ首層

国道42号を再び少し南下。JR紀勢線だとひと駅分。今度は田子(たこ)海岸へ。営業を終えたドライブイン(廃墟)がある。海岸の堤防わきにはバス停がある。ここにも南紀熊野ジオパークのパネルがある。タイトルは田子海岸ではなく、サラシ首層!またまた面白くなりそうだ。

田子の浦バス停

田子の浦バス停

サラシ首層!?

サラシ首層!?

晒し首のような(この例えが適当かどうかは疑問)岩が散在する海岸だという。岩場に転がっているように見える岩は転がっているのではなく、地面とつながっているのだという。そして、地面との接合面がくびれているので、この名があると書かれている。女子2人は海岸に降りてみた。
田子海岸へ

田子海岸へ

田子海岸(サラシ首層)

田子海岸(サラシ首層)

本当に岩が地面とつながっているのか試してみようと、三浦さんが岩を引っ張ってみた。びくともしない。しかし、岩が地面とつながっていなくても動かないのではないかという素朴な疑問が湧いたが、放置しておくことにした。
岩を引っ張ってみる

岩を引っ張ってみる

サラシ首(岩)と

サラシ首(岩)と

まるで海の中にいるような場所と伊舞さん。三浦さんをモデルに映え写真を撮ってみた。そして、彼方の岬に灯台があるのを見つけ、本州最南端の潮岬と気づいた。国道わきの海岸だが、今まで気づかなかった。ここもいい場所だ。
モデル撮影風の三浦さん

モデル撮影風の三浦さん

彼方に潮岬灯台が見える

彼方に潮岬灯台が見える

◇潮岬

穴場めぐり、岩めぐりの様相となった旅は、本州最南端へ。国道42号を一番南まで走ってきた感じ。この場所は、同じ女子2人でかつて訪れている。2019年9月の「串本・古座川、ジオパークと伝説を訪ねる旅」で、この時も岩めぐりだったと気づく。潮岬の先、太平洋の彼方にオーストラリアがあるというのは、その際に知ったことだ。ひとまずは、ゴールということで、記念撮影をした。

本州最南端へ来ちゃった

本州最南端へ来ちゃった

潮岬観光タワーと

潮岬観光タワーと

1月の最終土曜日といえばこの番組の放送日だが、この日は、通常なら「本州最南端の火祭り(望楼の芝焼き)」が行われる。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2022年は中止が決まっている。2021年に続く中止で残念だ。これも一度は見てみたいと女子たち。

※番組はここまでだが、実は、“女子旅”は終わっていなかった...
◇番外編「『WEST EXPRESS 銀河 紀南コース』ラストランを追え!」はこちら


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