【おむすび】
九度山町といえば真田昌幸(さなだ・まさゆき)・幸村(ゆきむら)ゆかりの真田の里、特産は柿。これが定番。今回はこれとは違った冬の九度山をガッツリ旅してみようと、まずは南海電鉄高野線の九度山駅にやってきた。少し高台にある駅は、真田の里の駅らしく赤備えだ。赤い幕と六文銭が目立つ駅舎は風格があり、レトロ。ここから旅を始める。旅女子は、大の仲良しの三浦ちあきさんと柳橋さやかさん(写真左)。
暖冬とはいえ真冬だけあって冷える。今まさに旅を始めようとしたら町の防災行政無線が「サルの出没」を告げ、注意を喚起した。いろんな意味で出会いが楽しみだ。ちなみに、この2人が九度山町を訪ねるのは、番組初回の2017年4月の「橋本・伊都、元気印がさらにパワーをもらう旅」以来、約3年ぶり。
☆番組は、ここから聞くことができます。
九度山駅は交通系IC乗車券が使えるが無人駅。高野山への動脈とあって電車は、まあまあよく来る。駐車場は2台きり。近くの人の利用が多いとみた。この九度山駅に去年(2019年)11月、新しくおむすびスタンドがオープンしたと聞きつけて、まずはそこからと思ったが、お店が見当たらない。
駅舎などをリノベーションしたという情報だったから、駅舎のまわりをみてみようと、隣接のトイレ側に来た。そこで張り紙を見つけた。駅舎の横の扉が開け放たれ、「おむすびスタンド くど」と書いてある。ここを入るのかなと、女子2人は吸い込まれるように入っていく。
張り紙に導かれて入ったら、レトロな金庫がどーんとお出迎え。木造駅舎だからか、全体にレトロ感があり、きれいだが、お店はない。
待合所だったような空間があり、イスが並んでいる。何に使っているのかわからない。そして、隅には薪(まき)が置かれている。
廊下が伸びているので進んでいく。探検気分だ。あっ、かまどが3基並んでいる。これでご飯を炊いているのか。もしかして、燃料が薪か。そんなことを思いながら進んでいくと、なんと駅のホームに出た。
切符も入場券も買っていない。何より、改札を通っていないのにホームに出たことに驚いた。女子は、驚きもそこそこに、写真撮影を始める。SNS映えポーズを決めてみたり。楽しそうだ。
そして、駅のホームの壁の一角がカラフルなことに気づく。あった!ホームにお店があるんだ。キャー。わー。素敵。かわいい。と口々に叫ぶ女子2人。加えて「むすびたてお出しします」の木の札がとてもいい。
お店の窓を開けると、割烹着姿の女性が2人、土居(どい)まきさん(写真右)と、堀内沙和子(ほりうち・さわこ)さんが笑顔で向かえてくれた。お店の中に入れてもらってお話をうかがうことにした。
さっき見えた3基のかまどで九度山産のコシヒカリを炊いているという。平日は朝9時から、土日は朝7時半からの営業で、毎日午後6時まで。だが、おむすびがなくなれば営業終了。聞いたところによると、午後2時とか3時とかぐらいなら営業していることが多いという。定休日は月曜日。私たち同様、電車の利用者でなくてもホームからおむすびを買うことができる。メニューは日によって違うらしいが、毎日10種類程度はあるという。
女子たちは、黒米めはりむすび、黒米かだひじき、釜揚げしらすの佃煮、なまりぶしの味噌マヨネーズの4個を注文。地元(和歌山)の食材にこだわっているというのが良いね。「おいしくなれ」、「いってらっしゃい」、「おつかれさま」などの気持ちを込めてむすんでいると話した。みんなで記念撮影。気づくとバッシーが甘酒(ノンアルコール)を買っていた(おいおい)。
九度山駅の近くには歩道橋があったり、散策道があったり(生活道かも)。沿線には桜も多く、絵になる。
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「くど」はかまどを指す京ことば「おくどさん」と九度山を掛けた素敵なネーミング。「くど」では、おむすびのほかに古本(文庫本)などの販売もしている。kotobanoieのチョイスだという。夏はかき氷の販売もあるみたいだ。
お店には食べるスペースがないが、ホームのベンチや駅の外の展望スペースで食べられる。イートインスペースも別にあるというのでやってきたら、駅のパーツが随所に配されたユニークな場所があった。高野線を楽しむスペースでもあるようだ。
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