【橋杭岩】
国の名勝で天然記念物。吉野熊野国立公園内にある橋杭岩。誰が名づけたか、見れば見るほど橋の杭に見える。弘法大師が作ったという伝説の地。今回はまず、くしもと大橋で大島にわたり、いつもと違った(反対向き)橋杭岩を見に行った。本州側からみると大島まで橋の杭(のように見える岩)がつながっているように見えるが、実はまだかなり足りないことがわかる。女子2人には新鮮だったようだ。
大島から見る橋杭岩は、縦に重なって一塊の岩のように見える場所もあって面白い。マグロのTシャツが目立ったのか、島内で声を掛けられる。和歌山放送リスナーだとわかる。うれしいひととき。
☆橋杭岩の伝説
諸国をめぐっていた弘法大師と天邪鬼がこの地を訪れた時、地元の住民が大島への橋がなくて困っていた。そこで橋を架けることにした弘法大師は天邪鬼と一晩で架けられるかの賭けをした。弘法大師の橋の杭を作る早さに、このままでは賭けに負けると思った天邪鬼が鶏の鳴きまねをして弘法大師に夜明けが近いと思わせた。一晩で作れなかったとこの地を去ったという
実際には太古の火山活動と海の波による浸食などによってできたものだが、伝説のほうがしっくりくる気がする。
橋杭岩に近いのは国道42号沿いにある道の駅「くしもと橋杭岩」からのアクセスだ。今回も立ち寄る。ハイビスカスの赤い花が咲いていた。実は大島にも咲いていた。この時期、串本町内のあちらこちらで目にする。
今回の訪問は干潮(引き潮)の時間帯だったので、岩場に降りることができた。岩まで行ってみようということになった。潮だまりを除け、そこら中にある岩を縫いながら進む。潮だまりには、ヤドカリがたくさんいた。
近づくにつれ、岩の大きさがすごい。岩の列も、またすごい。圧巻の景色の中、橋杭岩にタッチ!太陽が照っていたからだろうが、触れた岩肌は暖かかった。「自然に触れると良い」とおばさんに聞いたと話す伊舞さん。パワーをもらおうとしばし、岩に身を預ける。
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橋杭岩を境に向こう側は海という絶景。岩のそばまで来ると波の音が聞こえる。大岩をカメラに収める伊舞さん、透き通るほどにきれいな海の水に触れる三浦さん。
およそ850メートルにわたり、大小40あまりの大きな岩が並ぶ橋杭岩だが、その岩の一つ一つに名まえが付けられている。女子たちが直に触れたのは「ハサミ岩」だと知る。
【一枚岩】
【一枚岩】
もうひとつ大岩を訪ねた。もちろんジオサイトだ。古座川町の古座川左岸にそそり立つ、高さ100メール、幅500メートルにおよぶ1枚の岩はいつ見ても大きさが心地よい。こちらも国の天然記念物。橋杭岩と同様、道の駅が観光拠点で、伝説もある。
☆一枚岩と守り犬の伝説
岩が大好物という魔物が太地の海から現れ、古座川の下流から岩を食べながら上流へ。一枚岩にかじりついた時、一匹の犬に吠えたてられたことで、犬が苦手な魔物は退散した。
そして、いつのころからか、年に2回。4月下旬と8月下旬にそれぞれ1週間程度、日没直前に守り犬の影が一枚岩に現れるという話が広まった。時期が限られている上、日没前の天候にも左右されるとあって、見たい人は多いけれど、訪れても、実際に見られるかどうかはわからない。今回の女子旅では、守り犬の影を見たいという思いから、8月下旬に日程を組んだ。日没時刻は、暦で調べられるが、山間の一枚岩のあたりが日暮れになる時刻がわからないので、早めに来てみた。この日は、旅がスタートした昼頃は晴れていたが、時間とともに雲が多くなるというビミョーな感じ。実際に一枚岩に到着した時は、日没までの時間は十分にあったが、日が陰っていた。あとの話で、この時、三浦さんは「見られない」と諦めモードだったらしいが、伊舞さんは「絶対見える」と思っていたそうだ。
時間とともに、照ったり曇ったりを繰り返すようになり、期待が増してきた。一枚岩をただ見つめ、その時を待つ女子2人。理由は不明だが、肉眼では影が見えなくても、カメラを通して見ると影がわかるという状況があり、期待感がさらに高まった。午後5時が近づく頃になると、左端から伸びてきた影の上の方に2つの突起が見えるようになってきた。「犬の耳だ!」と大喜び、大はしゃぎの女子たち。何枚も何枚も写真を撮る。そして、くっきり守り犬の影が現れた!地元のカメラマンらしき方も撮影に来ていた。
2年前の女子旅(⇒「太地・古座川・すさみ、大自然を楽しむ旅」)で初めて伝説を知り、守り犬の影の話も知った伊舞さんは見たくてしようがなかったらしい。見られて良かった。いい旅の締めくくりとなった。皆さんもぜひチャレンジしてみてほしい。
2年前の女子旅(⇒「太地・古座川・すさみ、大自然を楽しむ旅」)で初めて伝説を知り、守り犬の影の話も知った伊舞さんは見たくてしようがなかったらしい。見られて良かった。いい旅の締めくくりとなった。皆さんもぜひチャレンジしてみてほしい。
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