-
【クジラを見張る場所】
8回目の女子旅は、自然豊かな紀南の地へ。太平洋に突き出した半島部が町域の大部分を占める太地町。その中でも海に突き出した燈明崎(とうみょうざき)が今回の旅のスタート。旅のパートナーは、7月に続いて2回目の登場となるなーさんこと、伊舞なおみさん(写真左・シルエット)。秋の旅といえば紅葉が定番だが、まだ少し早い。そんなわけで今回は、大自然そのままを楽しんでしまおうという企画。海も山も川も、その雄大で不可思議な景色に圧倒される様子をお届け。
☆番組は、ここから聞くことができます。
2回目ということでスタート写真はシルエットで失礼を。ここは、燈明崎にある石垣を積み上げた山見台。180度以上の見晴らしが広がる。また天気が抜群によく、海の青さがまぶしいほど。かつて、この場所から、沖を行くクジラの潮吹きの様子を見張っていて、ほら貝や狼煙を上げて捕鯨船に知らせたとされる場所。もうすんごい景色。時間を忘れるほどのビュースポット。
【燈明崎】
捕鯨遺跡というそうだ。クジラを見張っていた場所は、今も変わらない景色。だが、伝達方法が違う。ほら貝を吹き鳴らしたり、狼煙を上げたりという単純な方法で知らせていたということは、音色や打ち上げ方など、技があったものと思われる。ただ、見張り台(山見台)はここ燈明崎だけではないので、それぞれに見張る方角やエリアの分担があったとも考えられる。女子2人は青い青い海を見晴らし、潮風を受けて、気持ちよさそう。ただ、これだけ天気が良いと、11月とはいえ日焼けが気になるところ。
足元(崖下)に目をやれば、海の底まできれいに見える。泳ぎたい!そんな声が聞かれるほど。ここは岩場だし、波も実は荒いので、泳ぐのはほかの場所で、かつ、夏場にどうぞ。
燈明崎へは、車で行ける。近くに駐車場があり、木々がアーチのように繁る遊歩道を歩くと岬に出る。この遊歩道がまた心地よい。ここにも捕鯨遺産がある。見張りの人たちの支度部屋跡がある。女子2人は説明書きに出くわすたびに見入り、読み込む。初めて知ることばかり。ちなみに支度部屋跡は、今は何もなく、一面に黄色い花が咲いていた。
木漏れ日の散歩道を駐車場へ戻り、旅が始まる。
【平見台園地】
燈明崎から梶取崎(かじとりざき)、そして、平見台(ひらみだい)へと、海岸部を車で走ってみる。平見台で駐車場に車を入れると、すでに海の眺望が広がっているが、その先に展望台の存在が見える。そこからの景色はいいに決まっている。伊舞さんは、すでに駆け出している。元気だ。展望台で大きく手を広げているのが伊舞さん。よーく見てみて。
【道の駅たいじ】
国土交通省の認定を受けて初めて道の駅となる。高速道路のSAやPAのような場所が一般道にあってもいいのではないか、そんな発想から、24時間利用できる駐車スペースと公衆電話、それにトイレがその重点要件だったが、今は、観光拠点だったり、物産販売だったり、レストラン施設や温泉、最近は、防災拠点としての活用も視野に整備が進む。中でも、他の見本となり、地域の発展の中核施設として、重点道の駅が指定され始めた。ここもそのひとつ。ことし8月にオープンしたばかり。
高級ホテルのラウンジを思わせるトイレ棟がすごい。老若男女を問わず、国籍も障害の有無にも関係なく誰も使いやすく清潔なトイレの整備を目指す太地町は、道の駅だけではなく、町内の公衆トイレがこの考え方に基づいて設置されている。その現時点の最高峰がこの道の駅のトイレというわけ。
クジラのまち太地町では、年中無休のレストラン施設でクジラのメニューが提供され、様々な加工品が販売されている。そして、太地町だけではなく、周辺の町村を含めた観光の案内などをしてくれる観光コンシェルジュが配置されている。女子2人はクジラカツカレーをスタッフはクジラの竜田揚げの丼を昼食にした。
真新しい施設ということもあり、きれいさは群を抜く。駐車場も広い。そして、ベンチが多いのも太地町の特色だ。道の駅から国道42号をはさんで目の前には森浦湾が広がる。やがてクジラの放牧をめざし、太地町全体をクジラの学術研究都市にするという遠大なプランが進行中だ。
道の駅の前で、旅のコーディネートに協力をしてもらった新宮支局の引本孝之さんと記念写真をパチリ。
【牡丹岩】
太地町から国道42号を南下し古座川町へ。まずは清流古座川の河口から上流に向かっていく。「今、すごい岩が…」そんな声に車を止めた。少しだが駐車スペースがあり、案内板が出ているのがありがたい。独特の浸食によって、珍しい形状になっている岩がある。「牡丹岩」という。「牡丹」は花。岩の上部に花が咲いているかのような形状の突起がある。自然はすごい。岩が大好物の魔物に食い荒らされたという伝説もあるんだとか。
【滝ノ拝】
ここもまた、恐るべき自然の力を思い知らせる場所。石灰岩の白が美しい。ただ、その無数のくぼみが神秘的でさえある。流れのはやい滝を含む川(小川)の水音が響く。足元に気を付けながらだが、アクティブ女子2人はどんどん進んでいく。「滝ノ拝(たきのはい)」に魅せられた様子。
この時点で、午後3時。写真でもわかる通り、すでに、日が傾き始めている。集合時間に遅刻したスタッフがいたことも事実だが、山間の昼間は短い。ここからは太陽を追いかけて西への旅になるが、時間いっぱい不思議な地形を堪能する。
地形の妙とともに、抜群に水がきれい。滝ノ拝をはさんで流れの激しい上流部と、近くにそんな滝があることなんて想像させないほど緩やかな流れの下流域。もちろん川底ははっきりと見えている。「泳いでみたい」というこの日何度目かのセリフを聞いた。くぼみにたまった水底にもみじの葉があったり。インスタ映えを意識して写真を撮る三浦さん。
道の駅の名まえにもなっている瀧之拝太郎(たきのはい・たろう)がこのくぼみを掘ったという伝説が複数ある。道の駅には、イラストともに伝説も紹介されている。トンネルの開通で時短が図られているこの場所。道の駅にも立ち寄ってほしい。