【虫喰岩】
南紀熊野ジオパークのジオサイトにもなっている貴重な岩景色が多数ある古座川町。「高池(たかいけ)の虫喰岩(むしくいいわ)」も国の天然記念物に指定されている。日本の地質百選にも選ばれている古座川弧状岩脈の一部で表面の無数の穴が露出している。とはいえ、「岩」なので、まだ、関心度・認知度ともに低い。ただ、クマノザクラのタイプ標本木に近いということから目標地点として、道の駅が利用され、ここに来ると正面に虫喰岩がある。そして、なんじゃこの岩は~と一躍注目を集めている。この相乗効果は素晴らしい。
☆番組は、ここから聞くことができます。
番組冒頭「つくしを探しているんですよ」と中川アナ。これは、前回、中川アナが出演した女子旅「田辺・白浜、おとなの春休み旅」での白浜・平草原公園での一幕からのボケだが、予習をしない天然系、三浦さんには通じない。「つくしは、前回探しました!」と本人が乗り突っ込みをせざるを得なくなる。さらに「見つかったんだっけ」と三浦さん。全く覚えていない。今回の旅は記憶に残るものになればいいな。
「クマノザクラ」は、去年(2018年)、103年ぶりに発見されたサクラの野生種で、熊野川流域を中心とした紀伊半島南部、和歌山・奈良・三重にまたがるエリアで確認されている。ソメイヨシノに比べて早咲きで、花のピンク色が濃いなどの特徴があり、多く自生していた古座川町では町の花に指定、今後、植樹などで増やしていきたいという話だ。
古座川町役場のホームページ:クマノザクラ開花情報とイラストマップ・ダウンロード
去年の花のシーズンは発見が報じられて間もないこともあり、情報が不足していた。どれがクマノザクラかという以前にどこに咲いているのかもわからなかった。あれから1年、古座川町と町観光協会は町内のクマノザクラの花の見やすい場所を記したイラストマップを作成し、桜関連のイベントなどで配布したり、町役場のホームページからダウンロードできるようにしたり。役場のホームページで開花情報も掲載された。このイラストマップを手に、旅を始める。 ⇒ 道の駅「虫喰岩」から徒歩約10分で、クマノザクラのタイプ標本木があるという。ゆるい坂道にさしかかったところで、眼下に茶色い牛を発見!牧場のようだ。そして、たぶん、もう少しではないか…、そんな風に期待を高めつつ、歩みを続ける女子2人。
【タイプ標本木】
「クマノザクラ」が桜の新たな野生種として発見・確認されるまでのデータを取得するなど、研究に使われた代表的な1本ということで、「タイプ標本木(ひょうほんぼく)」と呼ばれている、世界でただひとつの木がこの木。気象庁が開花宣言をする時に用いる標本木とは少し意味合いが違う。そういったことから、最近は「タイプ木(ぼく)」と呼ばれることが多くなった。
【タイプ標本木】
「クマノザクラ」が桜の新たな野生種として発見・確認されるまでのデータを取得するなど、研究に使われた代表的な1本ということで、「タイプ標本木(ひょうほんぼく)」と呼ばれている、世界でただひとつの木がこの木。気象庁が開花宣言をする時に用いる標本木とは少し意味合いが違う。そういったことから、最近は「タイプ木(ぼく)」と呼ばれることが多くなった。
もうそろそろかなぁ、とやってきた女子2人は、それらしい木を探そうとした矢先、大きな看板が目に飛び込んでくる。地元の小学生らが手づくりした看板だ。これは目立つ。実は、この旅のロケハンでやってきたディレクターは、ちょうど開花の日に遭遇。それからほぼ1週間。満開を期待したが、そこまでは咲いていない。 ⇒ 和歌山放送ニュース「古座川町でクマノザクラ開花」
クマノザクラとの初対面を果たした女子は「咲いている!」と感動気味。「ピンク色が少し濃い」、「花がシャープ」、「星形」など、いろいろ発見しているが、これがクマノザクラの特徴かどうかはわからない。彼女たちが自分の目で、クマノザクラを見たということの意味が大きいようだ。
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とはいえ、女子2人が訪れた時は、まだ、あまり咲いてはいなかったので、ディレクターは満開の時に再び訪れ、写真を撮影。ほかの満開のクマノザクラ写真とともにのちほど。ラジオなのに写真が重要な女子旅だったりする。
タイプ木の前で、ロケハン中のディレクターが、地元の樹木医、矢倉寛之(やぐさ・ひろゆき)さんと偶然、出会う。この出会いが、いろいろつながって、今回の女子旅が実現したといっても過言ではない。矢倉さんによると、去年に比べ、開花が1週間ほど早かったそうだ。
【古座川桜フェア】
古座川町には観光協会がない。なかったというのが正しい。もっといえば、以前はあったが2013年に解散していた。それが、去年9月に新生組織として誕生した。そして、3月、クマノザクラと従来のさくらまつり(ソメイヨシノ)を一緒にして、月間行事として初めて実施したのが「古座川桜フェア」だという。
思いはともかく、まずは昼食。町おこしとして、ジビエ料理を積極的に提供しているという「ぼたん荘」。「地美恵定食」と「ジビエバーガー」などを注文する。和歌山放送の食担当(そうなの?)だけあって、観察ポイントが細かい中川アナと、おいしいと食べる三浦さん。そして、写真撮影。パッケージデザインもかわいいバーガー。「地美恵」は「ジビエ」の当て字だが「地域の美味なる恵み」なのだそうだ。
ぼたん荘では、「古座川桜フェア」のオープニングイベントが行われ、専門家(前述の樹木医、矢倉さん)の話を聞き、クマノザクラについての知識を町内の人たちで共有し、そのあと、クマノザクラの植樹も行われた。
南紀月の瀬ぼたん荘の料理長、深海政也(ふかうみ・まさや)さんと、古座川町観光協会の事務局長、木下昂(きのした・こう)さんに話を聞く。深海さんは、観光協会の副会長だったりもする。そして、前庭で、植樹されたばかりのクマノザクラを見せてもらう。誕生したばかりの観光協会と、植えられたばかりのクマノザクラがともに育っていきたいという。拍手。楽しみだ。植樹の翌日には名残の道具が見受けられた。下の記念撮影で、右から、中川アナ、深海さん、木下さん、三浦さん。
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