橋本から和歌山、花をめぐる春旅

【 菜の花 】

「今年の桜の開花は早い」と言われていたが、開花直前に寒の戻りがあり、足踏み。「遅めの開花宣言」となった。それまで、不順だった天候も、低温傾向も、桜の開花とともに解消され、日差しも明るくなって、百花繚乱の春到来。番組8年目スタートの旅は、伊舞なおみさん(写真左)と柳橋さやかさん。紀北地域で花をめぐる。

橋本市「はななの郷」で

橋本市「はななの郷」で

☆番組は、ここから聞くことができます。

ここは、橋本市隅田町の山内地区。京奈和自動車道の橋本東インターチェンジから北へ車で10分ほどの場所。1箇所に広く、ではないが、あちかこちらの休耕田に菜の菜を咲かせる「はななの里」。菜の花が有名だが、女子たちがまず出会ったのはチューリップだった。「やまうち」ときれいに植え付けられた小さなチューリップ園。「はしもと紀の川花夢計画」とも記されている。これは、橋本商工会議所が主体となって、毎年実施している取り組みで、橋本市恋野(こいの)地区の休耕田を主会場に、市内のあちこちにチューリップを植えている。ちょうど1年前、去年(2023年)4月の「和歌山から橋本、春の花をめぐる旅」(三浦ちあき&伊舞なおみ)で訪ねた「恋のチューリップ畑」がそうだ。
小さなチューリップ園で

小さなチューリップ園で

小さなチューリップ園

小さなチューリップ園

少し歩くと、菜の花畑が次々に見えてくる。やわらかな緑とともに広がる黄色は、間違いなく春の風景だ。のどかで、癒やされる。
「はななの郷」で

「はななの郷」で

「はななの郷」の菜の花

「はななの郷」の菜の花

【 花モモ 】

次の花は、花モモ。かつらぎ町下天野(しもあまの)、世界遺産・丹生都比売(にうつひめ)神社近くの「花モモの丘」へ。実はここ、2020年4月に三浦ちあき&柳橋さやかで訪ねたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、放送されなかった。柳橋さんは、晴れて紹介できて嬉しそうだ。ふもとからの眺めも充分きれいだが、全容は丘に上らないとわからない。入園料(維持管理費)を缶にに入れ、女子たちは園内へ入っていく。

花モモの丘をふもとから

花モモの丘をふもとから

無人入園料入れとSNS案内

無人入園料入れとSNS案内

まず、大きなユキヤナギ、続いて、レンギョウ、その上から、しだれ桜と、いずれも春の花を見ながら進んでお行くと、濃い桃色軍団が見えてきた。花モモは、花を観賞するために改良された桃の品種。ここではほとんどが濃い桃色だが、赤や白など他の色もある。
ユキヤナギとレンギョウ

ユキヤナギとレンギョウ

満開の花モモ

満開のモモ

丘には、花モモだけが植えられている。見渡す限り、満開の濃い桃色の花モモの花が続いている。知る人ぞ知る場所、そう穴場だ。こんな景色は初めてと伊舞さん。
満開の花モモと

満開の花モモと

満開の花モモ

満開の花モモ

園主の庵野淸高(いおの・きよたか)さんに話を聞いた。ご夫婦で、花モモの丘を管理しているという。20年あまり前に、荒れ地だった丘の下草を刈るなどきれいにしたところ、花モモを植えてはどうかと業者に勧められ、300本ほど植えたという。以来、ひな祭り用の花モモを生産しているそうだ。大阪の業者が、まだ、小さく堅いつぼみが出たところで、枝を採取していくといい、業者はそれを暖房施設で温めて花を咲かせて販売、庵野さんらは、自然に咲く花を観賞用に育てているらしい。開花状況などの情報は、インスタグラムで提供している。それらもあって、見物客も増えている。花を見ながらお弁当を広げてもいいように、丘の中央にスペースを設けている。後始末をちゃんとしてくれれば、ペットを連れてきても構わないと話した。
花モモとさくら

花モモとさくら

園主の庵野淸高さんと

園主の庵野淸高さんと

【 桃 】

紀の川市桃山町は国内屈指の桃産地とあって、紀の川南側には一面の桃畑が広がっている。そして、さくらとほぼ同じ時期に一斉に花の季節を迎える。こちらはあくまで桃の生産地だが、紀の川の左岸河川敷には、臨時駐車場が開設され、花見客に開放されている。そして、堤防道路脇からの眺めは桃源郷(とうげんきょう)と称され、ひと目10万本ともいわれる。桃源郷とは、俗世間から離れた別天地、桃の花に囲まれた平和な空間、ユートピアのことだ。そして、桃の栽培園地を見ながら、近くの道路を歩けば、甘い香りを楽しむことができる。環境省の「かおり風景100選」に選定されているこの時期だけの香りだ。菜の花が植えられているところもあり、桃の花と青空とのコントラストが美しい。ただし、あくまで桃栽培園地のため、花が咲くと、農家では摘花作業が行われる。花見客からするともったいない感じがするが、それもあわせて、この季節の風景として楽しみたい。

桃源郷で

桃源郷で

桃の花と菜の花

桃の花と菜の花

【 チューリップ 】

桃源郷から車で15分ほど。紀の川市から、岩出市をまたいで、和歌山市に入ると、まもなく、県立和歌山高校がある。所在地は、和歌山市新庄(しんじょう)。「チューリップフェスタ」開催中の学校を訪ねた。今年は、校内に1万5千球のチューリップが植えられた。春休みを利用し、4月の最初の1週間は学校が開放され、自由に見学できる。そして、今年は、期間中の土曜日に、5年ぶりとなるイベントも実施された。

県立和歌山高校へ

県立和歌山高校へ

校内の案内

校内の案内

井田恵(いだ・めぐみ)教頭に話を聞いた。「和歌山高校といえばチューリップ」や「和歌山高校といえば、チューリップのきれいな学校」といわれているらしい。校内の美化活動の一環で、1996年から行われている。生徒はもちろんだが、その保護者、教職員、地域住民が一緒に取り組んで、毎年4月初めにきれいな花を咲かせている。そして、5月下旬には、「球根抜き」というイベントを実施しているらしい。これは「チューリップ・リレー」の一環で、花が終わった球根を抜き、それを各自が自宅などに持ち帰り、植栽し、次のシーズンに咲かせてもらうというもの。今年の「球根抜き」は、5月25日(土)午前9時から10時半に開催されると聞いた。保護者や地域住民に限らず、誰でも参加できるので、興味が湧いた方は参加してみてほしい。そして、参加すれば、球根がもらえる。「軍手持参、動きやすい服装で来て」とのこと。
チューリップ園前で

チューリップ園前で

井田恵教頭と

井田恵教頭と

校舎の中に入って、2階や3階の窓から中庭を見下ろすこともできる。干支に因んでタツノオトシゴの形に植え付けられたり、和歌山高校の「W」をかたどったチューリップ園などが楽しめる。和歌山高校では、もちろん来シーズンも続けられる予定なので、4月の初めのお出かけの予定に入れておいてほしい。情報は、学校のホームページに掲載されるからチェックしたい。
和歌山高校の「W」など

和歌山高校の「W」など

タツノオトシゴ花壇

タツノオトシゴ花壇

【 さくら 】

花めぐりの最後は、桜。和歌山高校から、再び、紀の川市に戻り、山田ダムを越えて、紀美野町へと至る途中に目的地はある。トンネルにはさまれた山中に、500メートル以上にわたって、ソメイヨシノが連なって植えられている「雨山(あめやま)の里」がある。緩い坂道に満開の桜並木という「桜坂」の様相。柳橋さんのお気に入りの桜の名所の一つという。

桜並木の下で

桜並木の下で

桜並木と花びらの道

桜並木と花びらの道

女子たちは、南側の駐車場に車を置き、茶屋のある北側の駐車場まで、桜並木の下の歩道を歩いた。少し散り始めた桜が道路に積もっている様子も美しい。

駐車場やトイレもある

駐車場やトイレもある

「さくらまつり」開催中

「さくらまつり」開催中

「雨山の里」「さくらまつり開催中」の案内がある所には、桜の時期だけ営業する茶屋や飲食・物産販売のテントがある。そして、しだれ桜がたくさん植えられている芝生広場があり、ベンチも多い。この場所からは、近くの山に咲くヤマザクラも楽しめる。まさに桜三昧のくつろげる一角となっている。
茶屋「雨山の里」

茶屋「雨山の里」

雨山の里のさくら

雨山の里のさくら

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