岩出・紀の川、学びの駅を訪ねる旅

【ねごろ歴史の丘】

全国に1200か所ほどある道の駅。地元の物産や食が充実していたり、防災拠点になっていたり、それぞれに特色を打ち出している。和歌山県内には35か所あり、いずれも人気スポットとなっているが、その中に、地域のことを知ることができる、学べる駅がある。女子にも学んでもらおうと訪ねることに。そんな学びの旅をするのは、三浦ちあきさんと、初参加の深井瞭さん(写真右)。

ねごろ歴史の丘

ねごろ歴史の丘

☆番組は、ここから聞くことができます。

「道の駅ねごろ歴史の丘」は岩出市の新義真言宗総本山「根来寺(ねごろじ)」の近くにあり、2017年4月に道の駅登録された。今回の旅はここから始まる。まずは、根来寺やこの地で発掘された遺跡から学んでもらおうとねごろ歴史資料館へ。入ると木の香りがする。そして、桜満開の根来寺の大塔の大きな夜景写真が迎えてくれる。館内には、パネルや写真とともに出土品の展示があり、映像での紹介も見られる。
ねごろ歴史資料館へ

ねごろ歴史資料館へ

根来寺大塔の夜桜

根来寺大塔の夜桜

手の指サイズの小さな仏像「泥仏(でいぶつ)」や生活用品があり、皿や茶わん、箸などは、いまでも使えそうなデザインや質感だ。大きな甕(かめ)もある。そして、堀に捨てられていたというたくさんの石塔がある。おでんに見えてきたという女子の発言に、わからなくはないものの、学びは大丈夫かと心配になる。今も昔もこの地は多くの人が暮らしていたのだと知る。
これは何?と深井さん

これは何?と深井さん

捨てられた石塔を見学中

捨てられた石塔を見学中

道の駅ねごろ歴史の丘は、施設が多いため、道案内標識が随所に立っている。
案内表示

案内表示

根来寺遺跡展示施設と旧県議会議事堂

根来寺遺跡展示施設と旧県議会議事堂

資料館を出て、右手に根来寺遺跡展示施設がある。施設とはいえ、建物はない。この地から出土した遺構や遺跡を型取りした実物大の高精細レプリカが展示され、当時がわかるイラスト付きの説明書きがある。
階段を見学中

階段を見学中

説明書きを読む

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立ち位置より少し低い半地下倉庫も見学。
半地下式倉庫前で

半地下式倉庫前で

半地下式倉庫

半地下式倉庫

そして、ひときわ存在感のある木造建築が旧県議会議事堂だ。かつて、一条閣(いちじょうかく)と呼ばれていたので、今もこの名を使う人も多い。女子2人は議場に入ってきた。屋根が高く、その大きさに改めて驚く。ねごろ歴史の丘管理協会の施設長、松見隆広(まつみ・たかひろ)さんに議場を案内してもらった。旧県議会議事堂は、最初、現在の和歌山中央郵便局の場所にあった。現在地は4度目の移築。現存する木造の県議会議事堂は日本唯一で、国の重要文化財になっているのだとか。柱がないのが特徴で、声が響く構造になっているというので、三浦さんが大きな声を発してみた。気持ちよく響くことがわかった。精緻な彫刻類も見てほしいとのこと。現在は、コンサートや講演会などに利用され、実際に県議会が開かれたこともある。
旧県議会議事堂前で

旧県議会議事堂前で

議場で施設長と

議場で施設長と

放送ではふれなかったが女子は2階も見学。細かい設えをも再現した模型があり、当時を彷彿とさせる。
議場の模型見学中

議場の模型見学中

議場の模型

議場の模型

明治期の県会日誌などの資料も展示されている。初代議長の濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)の銅像がある。稲むらの火で知られる人物で、「りょう」という名まえが同じことから深井さんは親近感を持っているという話も。
資料見学中

資料見学中

県議会初代議長の銅像と

県議会初代議長の銅像と

続いて訪ねたのは物産と軽食を提供する「花笑み館(はなえみかん)」。店長の大浦典子(おおうら・のりこ)さんに、話を聞いた。販売商品は、スタッフが実際に食べておいしいと感じた県内の物産を揃えているという。そして、一押しが岩出市で生産されている黒アワビ茸だといい、コリコリとした食感とコクのある味わいが特徴だ。ここでは、バーガーやカレーメニューを提供している。
花笑み館

花笑み館

黒アワビ茸

黒アワビ茸

女子2人は黒アワビ茸バーガーを試食する。やわらかく、淡白でおいしいという感想。放送では、バーガーだけだったが、カレーも試食した。カツカレー風に仕上がっている。
黒アワビ茸バーガー

黒アワビ茸バーガー

黒アワビ茸バーガー

黒アワビ茸バーガー

さらに、和歌山大学観光学部や岩出市役所の女性を中心にしたメンバーを巻き込んで開発したという「根来ぱふぇ」も試食した。ジェラートにトッピングされている地元の高砂あられがアクセントになっていて、また食べたいという女子たち。「根来ぱふぇ」については、食後アンケートが行われている。よりおいしいメニュー開発のために、ぜひ、協力を。
黒アワビ茸カレー

黒アワビ茸カレー

根来ぱふぇ

根来ぱふぇ

「花笑み館」の隣には、「情報コーナー」があり、県内30市町村の観光パンフレット類が揃っている。そして、先ほど訪れた「根来寺遺跡展示施設」の案内映像が放映されていた。聞いたことがある声が聞こえている。それもそのはず、この映像のナレーションは和歌山放送の寺門秀介アナウンサーだった。
花笑み館の店長と

花笑み館の店長と

情報コーナーで

情報コーナーで

【青洲の里】

次に訪れたのは紀の川市の「道の駅青洲(せいしゅう)の里」だ。地元出身の江戸時代の外科医、華岡青洲(はなおか・せいしゅう)の顕彰施設で、2015年11月に道の駅登録された。紀の川市は食育宣言していることでも知られ、ここでは「健康」がキーワードになっている。フラワーヒルミュージアム内のレストラン華でランチとして提供されている「健康おもてなしバイキング」もその一つで、毎日、食育メニューを含めた30種類から自由に選んで食べられる。神徳政幸(じんとく・まさゆき)駅長に話を聞きながら、女子2人のランチタイムとなる。

健康おもてなしバイキング

健康おもてなしバイキング

駅長がハーブティーを入れる

駅長がハーブティーを入れる

バイキングは、3回くらい取りに行って…と神徳駅長。お母ちゃんの味だという野菜がゴロゴロ入ったカレーがおススメとも。食後には、特別に園内で摘んだハーブを使ったハーブティーを出してくれた。これがまた、とてもやさしい味で食後にピッタリ。癒されもした。青洲の里では、ハーブを食事にも使ったり、土曜日曜には、ウェルカムドリンクとして、ハーブウォーターを提供していると聞いた。
事務局長とミュージアムで

事務局長とミュージアムで

華岡青洲の眼鏡見学中

華岡青洲の眼鏡見学中

食べてばかりのイメージの女子2人だが、ここでは、華岡青洲について学んでもらう。青洲は、世界で初めて、全身麻酔による乳がんの摘出手術に成功した人物。実母の於継(おつぎ)と妻の加恵(かえ)の献身的な協力(治験)も知られる。事務局長の木村哲朗(きむら・てつろう)さんの案内で、フラワーヒルミュージアムの展示室に向かった。青洲ゆかりの貴重な品々が展示されている。女子2人は、手術中に使用していたという鼈甲(べっこう)の眼鏡と、手術の際に着用していた着物に驚きの声を連発。
春林軒を見学中

春林軒を見学中

春林軒を見学中

春林軒を見学中

また、別棟の青洲の診療所兼住居「春林軒(しゅんりんけん)」では、麻酔薬の研究や治療、手術の様子、また、暮らしぶりなどを人形を使った展示で知ることに。後進の指導にも力を注いだという青洲の医学塾でもあったという。総合病院と学習施設。県立医科大学みたいなものだ。すごい人だったということは分かった。最後に銅像の前で記念撮影を。
華岡青洲の銅像前で

華岡青洲の銅像前で

公園内のハーブ栽培園

公園内のハーブ栽培園

「道の駅青洲の里」では、現在、農産物直売所を建設中だ。お蔵入りの旅で訪れた時に一面の菜の花畑だった場所。当初、今月のオープン予定だったが新型コロナウイルスの影響で遅れているらしい。こちらも楽しみにしたい。そして、また、訪ねたい。
農産物直売所建設中(左側)

農産物直売所建設中(左側)

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