【ふるさと御坊】
女子旅でJR御坊駅をスタートするのは、去年(2017年)10月の旅以来。この時はあいにくの空模様で寒かった記憶がある。今回は、早々と梅雨明けした真夏の快晴の空と照りつける太陽のもと。三浦ちあきさんの旅のパートナーは、ここが地元、御坊市出身で、この番組初登場となる南くるみさん(写真左)。駅前には、大きな濃い緑の葉をもつ御坊市生まれのハス、舞妃蓮(まいひれん)がある。もう少し早い時期だと花も咲いていたかも知れない。今回の旅は、南さんに案内してもらう。
舞妃蓮
1966年に、御坊市の阪本祐二(さかもと・ゆうじ)さんが、アメリカの黄色い花が咲く「王子蓮(おうじはす)」と、鮮やかなピンク色の花が咲く日本の「大賀蓮(おおがはす)」を交配して作られた新種のハス。1968年の春には、蓮根(れんこん)が現在の天皇・皇后両陛下に献上され、その年の夏に東宮御所で開花した。そして翌年、花の開閉があたかも女性の舞い姿のようだとして、生みの親、阪本さんによって、「舞妃蓮」と名づけられた。(御坊市webから)
☆番組は、ここから聞くことができます。
【ゼロ番線】
旅のスタートをJR御坊駅に選んだのには訳がある。この駅を発着する紀州鉄道に乗るためだ。発着ホームはなんと0(ゼロ)番ホーム。紀州鉄道は日本一短いローカル鉄道。全長2.7kmに、1両編成のワンマン電車が走る。もちろんというべきか単線だ。駅はJRと共通の御坊・学門・紀伊御坊・市役所前・西御坊。ゆっくりのんびり走る。かつて紀州臨港鉄道という名称だったことから「りんこう」の愛称も。
ホームに時刻表と路線図があり、出発まで時間があったということもあるが、南さんの沿線ガイドトークが止まらない。旅はまだ始まっていないのに、すっかり御坊通になった気分だ。紀州鉄道の車両が着く前に、3番ホームに特急くろしおが到着した。そう、御坊駅は特急の停車駅なのだ。
満を持して、紀州鉄道がやってきた。まさにバスのような電車だ。確かに「かわいい」。早速乗り込む女子2人。ちなみにJR御坊駅はICOCAなどIC乗車券対応だが、紀州鉄道は車両内で運賃を支払うシステム。だから、御坊駅の改札では、「紀州鉄道に乗ります」と駅員に告げれば、そのままホームに通してくれる。なんとローカルな、いい感じ。ワンマンバスとの違いは、電車なので降車ボタンはない。各駅に止まる。
発車時間になる。何ともスロースタート。三浦ちあきさんは、車内や車窓からの風景を身を乗り出して、興味津々で眺める。南さんはそのようすをスマホで撮影する。この2人、SNS積極派。番組PRにも期待しよう。
学門駅をすぎ、目的地の紀伊御坊駅で下車。外観も何とかわいいことか。発車する車両を見送って、駅の中へ。
紀州鉄道グッズが販売されている。全国から鉄道ファンが来るのだろう。マグカップは「大洋化学製」と南さん。そう、このカップは県内ではデザイン違いがあちこちにある。
紀伊御坊駅を出て、少し歩くと「紀州鉄道の旧車両を使った店がある」という南さんの情報。「たこ焼き屋さん」という情報も。実際には「お弁当屋さん」。エアコンが効いた車内は快適。電車のボックス席はそのまま。ここで買ったお弁当を車内で食べてもいいという。運転席がキッチンになっている。やはり、全国から訪問者があるという話。やるな紀州鉄道。
再び紀州鉄道に乗り込んで、終点の西御坊駅まで。下車するとそこは、10月の御坊祭で知られる「小竹八幡(しのはちまん)神社」がある。「人を見たけりゃ御坊祭」といわれるほどの大勢の人が集まる御坊祭。10月4日の宵宮と5日の本祭。だが、祭り以外の日は、静かな佇まいの神社だ。境内の木々が木陰をつくり、真夏の日差しを木漏れ日に変えてくれている。
本殿に参拝する。「久しぶりに帰ってきました」と南さん、「初めて来ました」と三浦さん。この神社に毎年、大絵馬を奉納しているのは、南さんの同級生の木村洪平(きむら・こうへい)さんという方だという。レア情報なのか、地元では有名な話なのかはともかく、御坊のつながってる感がすごい。