【徐福公園】
盛夏を思わせる6月の晴天の日に新宮市を訪れた。JR新宮駅前にひときわ目立つ、オレンジ色の瓦屋根の門。これをくぐれば中国へ行けそうな、ここは徐福(じょふく)公園。今回の旅は「いにしえ人の心にふれる」をテーマにした。まずは、この地に、海を渡ってやってきて、当時の先端技術の数々を伝えたとされる先人、徐福を知ることから。そんな訳で、三浦ちあきさんと五島奈津紀さん(右)の6月の旅が始まる。
☆番組は、ここから聞くことができます。
徐福は2,200年ほど前、中国を統一した秦(しん)の始皇帝(しこうてい)の命により、不老不死の霊薬を求めて、熊野に渡来。徐福一行は、この地に自生する「天台烏薬(てんだいうやく)」という薬木を発見したが、気候温暖、風光明媚で、土地の人々の暖かい人情に触れ、帰国することはなかった。そして、この地で、土地を拓き、農耕、漁法、捕鯨、紙すきなどの技術を伝えた(諸説ある)。徐福の渡海は、中国の歴史書「史記」にも記されている。
門をくぐると音声ガイドがある。あれば押すのがこの女子たち。
まずは、徐福の石像を見つけ記念撮影。池には大きな鯉が悠然と泳ぎ、その背後には、天台烏薬(てんだいうやく)の木が茂る。さらに奥には、徐福が眠るというお墓があり、2人は先人に感謝し手を合わせた。
この公園の楽しみポイントのひとつは、ソフトクリームに天台烏薬パウダーが掛け放題なことと、鯉のエサやりができること(有料)。女子2人は、不老不死の霊薬をチョイス。いつも以上に元気なスタートの声が響いた。
【王子ヶ浜】
和歌山市などは瀬戸内海に面し、中紀は紀伊水道、美浜町以南は太平洋に面している。串本の潮岬より東になると、水平線の彼方まで島影はなく、大海原だけが広がる。打ち寄せる波は荒々しく「大きな海の音」がする。新宮市総合体育館の脇から松林を抜けて、堤防を越えるとその場所に出る。熊野川を下って流されてきた小石がたい積してできた王子ヶ浜は、三重県熊野日まで、4キロに渡って続く。青い青い海、真っ白な波しぶきに女子は歓声を挙げた。
この浜は、砂浜ではなく砂利浜。波が引く際にカラカラと音を立てる。この日は、潮が引きすぎていて聞くことができなかった。その素敵な音は、次の機会に持ち越しとなった。