紀美野から有田・広川、冬を楽しみ春を探す旅

【有田みかん海道】
場面転換のように、紀美野町から有田市へ、雪が舞う中のドライブとなる。天気もめまぐるしく変わり、晴れたり曇ったり。箕島漁港の脇をすり抜け、みかん山にのぼる。有田みかん海道(かいどう)だ。

西側展望

西側展望

北西側展望

北西側展望

標高が上がるに連れ、眼下に、たちうおの水揚げ日本一の箕島漁港(西側)や石油コンビナート(旧東燃ゼネラル石油/現・JXTGエネルギー和歌山製油所)(北西側)、また、湯浅湾に紀伊水道(南側)と徐々に眺望が開けていく。頂上近くの休憩所(展望所)に車を停めた。

休憩所

休憩所

南側展望中の女子2人

南側展望中の女子2人

眼下には湯浅湾。左手、奥まった陸地は、湯浅町と広川町。風車が小さく沢山見える。遠くは、四国・徳島までの遠望ができるという。晴れ渡った空のもと、少し霞んでいたが見えた!気がして、女子2人はテンションが上がった。

南側(やや東側)展望

南側(やや東側)展望

南側(やや西側)展望

南側(やや西側)展望

休憩所には桜の木が植えられている。まだ、つぼみは小さくて固いが、春の景色をイメージして、「また来たいね」などと話す女子2人。有田みかん海道をはさんで、さらに高台の展望所へのぼる道も見える。潮の香りと潮風が気持ちいい。

桜のつぼみ

桜のつぼみ

展望所もある

展望所もある

さらに、有田みかん海道を上っていくと、造成された高台に出る。有田市の防災ヘリポートがある場所だ。ここは、360度の展望が開ける。そして、この場所に、去年(2017年)6月にオープンしたばかりのイタリアン・レストラン「Testi Mone(テスティ・モーネ)」がある。災害時には避難所にもなるらしい。

Teati Mone

Teati Mone

防災ヘリポート

防災ヘリポート

地場産の食材を使っているパスタのコースを注文。女子2人は、料理が届くたび、まずスマホで撮影する。テンションも上がり、会話も弾む。女子旅におしゃれなレストランと、おいしい食事は必須と、あらためて思う瞬間だ。

Teati Moneに女子2人

Teati Moneに女子2人

食べる前に撮る

食べる前に撮る

店内には、地元の人だろうか、シニア世代の方も多い。そして、店の外にも客席があり、暖かい季節ならオープン・カフェもいいに違いない。店の中からも外からも眺望が素晴らしい。特に石油コンビナート方向は、夜景が素敵に違いない。

南側展望

南側展望

北側展望

北側展望

店名の「Testi Mone(テスティ・モーネ)」は、イタリア語で「立会人、証明する人」という意味。有田の素晴らしい景観や食材や人材をたくさん体感して頂き、テスティ・モーネになって頂きたい、そんな想いを込めてます。とFacebookに書かれていた。


【風力発電の町】
広川町といえば、まず浮かぶのは、稲むらの火や濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)、最近なら、津波防災の日だろう。だが、今回の女子旅は、そっちではない。知る人ぞ知る広川町は「風力発電の町」なのだ。こっちを体感する。そんなわけで、広川町風力発電所を訪ねた。

広川町風力発電所全景

広川町風力発電所全景

尾根伝いに風車の列

尾根伝いに風車の列

海南・海草地域から有田地域、日高地域にかけての和歌山県の新しい風景として、尾根伝いの風車の列がある。気づくと、何十基も立っている。普段目にする風力発電風車は遠くなので、その大きさがあまり実感できないが、ひとつひとつは実はかなり大きい。尾根伝いに並んでいるものとほぼ同じ大きさの風力発電設備を広川町は公開している。広川町山本(やまもと)地区にある町営発電所だ。標高80メートルほどの丘の上に、真っ白な1基が立つ。支柱を触れるところまで近寄れるのが特徴!?なかなかこんなところに来ないはず。地上に近いところでは、直径4メートル近い支柱。その時の風の強さや発電状況が表示されているパネルがある。

広川町風力発電所

広川町風力発電所

現在の発電状況

現在の発電状況

風車は、風上方向に向く。女子2人はこの日、まずは、風車の背面から、緩やかに大きな羽根が回っているのを目にする。風を受けて回っているというのが実感できないほどの弱い風と重量級の風車。見上げる首が痛いほど。そう、羽根の頂上は100メートルにもなる。風車の羽根は3枚。ガラス繊維強化プラスチック製。1枚の長さは35メートルあまり、重さは8.6トン。風車は、風速3メートルで回り始め、25メートルで止まるらしい。この日も風速5メートルほどの風で、緩やかに回っていた。が、回転直径が70メートル、25トンもの重量のものが回っていると考えると、風のエネルギーに驚く。

見上げれば

見上げれば

見上げればデカイ

見上げればデカイ

最初、風車を背面から見ていた女子2人が、羽根の真下を通って前方へ。この体験に女子が思わぬ大反応。回転する羽根を真下から見上げると、下向きに回転してくる羽根のスピードと重量感がすごくて、その圧迫感にやられる。見たいけどこわい、こわいけど見たいという、初めての感覚と大はしゃぎ。落ち着かないとの声も。ちなみに、この発電所では、年間、一般家庭550軒分の電力が作られ、電力会社に販売されている。稼働は、平成17年2月末で、大型風力発電施設としては県内の先駆け。まもなく丸13年が経つ。こんなのが広川町を中心に、海草・有田・日高地域の尾根に並んでいると考えると、風力発電に対する考えが変わる…かも。そうそう、ここは、誰でも訪ねられる場所で、もちろん入場料も不要なので、ぜひ。

広川町が風力発電の町といわれるデータも示しておく。
☆和歌山県内で稼働中の風力発電(2017年3月末現在)

稼働年月 設置主体 市町村 定格出力 総出力 用途
2003年4月 ノーリツ鋼機 和歌山市 600 1 600 自家用
2005年3月 広川町 広川町 1500 1 1500 売電
2008年4月 のと風力発電 有田市 1990 1 1990 売電
2008年10月 広川明神山風力発電所 広川町 1000 16 16000 売電
2008年12月 白馬ウィンドファーム 広川町 1500 20 30000 売電
2009年10月 ユーラスエナジー有田川 有田川町 1300 10 13000 売電
2010年10月 アドエコロジー 日高町 1990 1 1990 売電
2011年9月 由良風力発電 由良町 1990 5 9950 売電
2014年11月 エコ・パワーA系 日高川町 1990 5 9950 売電
2014年11月 エコ・パワーB系 日高川町 1990 5 9950 売電

※NEDO調べ「日本における風力発電設備・導入実績」から
※定格出力および総出力の単位はキロワット


【遠い海岸線】
最後は、西広(にしひろ)海岸。砂浜から波打ち際、海への高低差がなく、海岸線が長いので、海岸風景としては珍しい景色。海水浴場ではないが、夏には水遊びを楽しむ人の姿が多い場所。一年を通して砂紋(さもん)が見られる。この景色にも女子2人は、テンションが上がり、暖かい季節にまた来たいと話した。

西広海岸に女子2人

西広海岸に女子2人

遠浅の西広海岸

遠浅の西広海岸

西広海岸の近くには、みかん畑があり、梅の木もあった。今シーズンは気温の低い日が続いている関係で、日本一の梅産地、みなべ町や田辺市の観光梅林でも梅の花が遅いという情報を耳にしているが、ここ広川町では梅の花がほぼ満開、見ごろを迎えていた。日の光を受けた梅の花は温かみがあり、遠景の山の尾根に並ぶ風車との対比が素敵な景色となっている。春も近い。温泉でも行きますか…と言いつつ、今回の旅は終わった。

梅が満開

梅が満開

梅と風車

梅と風車


関連リンク

今回の女子旅サポーター(ナレーション)は、中川智美アナウンサー。

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