【一枚岩】
古座川町内を川に沿って移動、古座川支流の小川にある滝ノ拝から、本流へ戻り、さらに進むと壁のような岩肌(山肌)が見えてきた。高さ150メートル、幅800メートルあり、国の天然記念物ともなっている一枚岩!女子2人も話していた通り、山なのか岩なのか、岩だけど山なんだ。そんな風な景色。目の前にそびえる迫力はスゴいものがある。ボキャブラリーを駆使して見たものを伝えることを仕事にしている2人が、ただただ「スゴい」を連発することからもその大きさ、初めて見る存在感がうかがえる。
岩が好物だという魔物に食い荒らされた牡丹岩に対し、この一枚岩は寸前で猟犬に守られたという伝説が残っている。だから、大屏風のような岩は穴だらけになっていないんだという話。そして、4月下旬ごろと8月下旬ごろの年に2回、この伝説の守り犬の影が岩肌に見えるという。今回は、その時期ではなかったので見られなかった。残念がる女子たち。
巨大な岩を見ながら食事もできる、お土産も多くの種類をそろえている道の駅「一枚岩鹿鳴館」に入ると、笑顔がかわいい守り犬の置物と、一枚岩に守り犬の影が写っている写真があった。これは実際に見てみたいという思いが募った。
【光泉寺】
ここまで、感動し、圧倒されてきた大自然は、まさに地球そのもの。今度は初の生き物、植物だ。黄色く染まった時に圧巻の姿となる大きなイチョウの木が有名な光泉寺(こうせんじ)にやってきた。
紅葉の見ごろにはまだ早く、無数にある葉が少し黄みを帯びてきているものもあるかなーくらいの状態。なんと樹齢300~400年、高さ30メートル、幹回り7メートルという巨木が迎えてくれた。見上げても先端まで見通せない。これまたスゴい。町の天然記念物になっているとか。ここも黄色が見ごろの時に再び訪れたいところだ。
大きさも相当なものだが、このイチョウの木を唯一無二のものにしているのはその形、というか奇妙な枝。細長く乳房のように垂れているコブがいくつもある。こんなイチョウ見たことないという女子2人。安産や母乳の出をよくするための祈願に訪れる人が多いという子授けイチョウの別名を持つ。2人それぞれに、乳房のようなコブに抱きついてみた。そう、コブのひとつひとつがまた大きいのだ。
【日本童謡の園】
太地の海からスタートした今回の旅は、古座川の山や川を巡って、再び海を目指す。日が沈む前に、その様子が見られる、西側が開けたすさみ町の日本童謡の園公園に到着した。ここは、ポピュラーなものを中心に10曲の童謡を聞くことができる公園。雄大な太平洋に太陽が沈んでいくのを見ながら、童謡巡りをする2人。
公園スペースに入ってすぐの海を望む芝生広場は「紀州の童謡ゾーン」。歌碑と、それを象徴するモニュメントが立ち、設置されているボタンを押すと童謡が流れてくる。スピーカーは複数あるが連動していて、流れるのは1曲。だから、ある歌の途中で別の歌のスイッチを押すと、先の歌が中断され、後の歌が流れる。どの曲もそれほど時間は長くないので、それぞれ聞きたいところ。この広場の奥に入口があるのが「童謡の散歩道」。ここは、センサーと連動していて、モニュメントの近くに来ると歌が流れてくる。そして、スピーカーは連動していないので、歩いていくと次々に童謡が流れてくる。
「紀州の童謡ゾーン」で、まさに紀州の歌として認知されている「まりと殿さま」の作者は和歌山ゆかりの人ではなく、特に和歌山らしさが歌われているということはない「鳩ぽっぽ」の作詞者が新宮市出身(東くめさん)だったりと興味深い。ちなみに歌声は女性。誰が歌っているのかを役場に確認してみたが、古いことなのでわからないという回答だった。残念。ちなみに、日本童謡の園ができたのは1987年=30年前で、今日(こんにち)までに、途中で一度、再整備したらしい。
そして、沈む夕日を見ながら、旅は終わった。なお、「童謡の散歩道」の途中に展望台を作る工事が行われていた。また、「童謡の散歩道」を抜けると、多くの原生林が残り、国の天然記念物に指定され、ジオパークにもなっている江須崎(えすざき)島へ渡ることができる。ここはまた次の機会に。
関連リンク
今回の女子旅サポーター(ナレーション)は、覚道沙恵子アナウンサー。