【玉津島神社】
万葉の故知としても知られる和歌浦エリアに戻ってきた。紀州東照宮の東側のエリア。歌の神さまを祀る「玉津島神社」へやってきた2人。鳥居をくぐると、「小野小町袖かけの塀」と書かれた低い塀がある。早速、上着を掛けてみる三浦さん「三浦ちあき上着掛けの塀…」。
女子2人の声に、権禰冝の遠北喜美代(あちきた・きよみ)さんが社務所から出てきてくれた。「在原業平(ありわらの・なりひら)と恋人だった小野小町が、業平がそうしたように歌の神さまとされる衣通姫(そとおりひめ)をお参り玉津島神社に来たといわれている」らしい。そして「ロマンですね」と。そう、ここはロマンの場所なのだ。そんな和歌浦の歴史などがわかる「和歌浦状」が境内にある。
「和歌を嗜んでいる」言ってみたいフレーズだ。芸術の秋、文化の秋、「和歌」を初めて見るというのはどうだろう。まずは、絶景が広がる和歌浦を訪ね、玉津島神社に参拝し、そこから…。
拝殿の脇に、何やら展示物があるので行ってみると、「根上がり松」と「歌碑」があった。かつて和歌山市高松にあったという根上がり松の根がここに。「龍のよう」と三浦さん。
玉津島神社にも絶景スポットはあるのだ。境内にある和歌公園、鏡山がそう。案内版を頼りに、階段を上っていくと、やがて土の山道になり、眼前に絶景の干潟が広がる展望所に出る。子どものころ、自転車圏の地元だったという五島さんも、このあたりよく通るという三浦さんも初めての場所だった様子。
眼下には、あしべ橋・不老橋が眼下に見え、ちょうど潮が引いていたので、片男波方面の干潟が見通せていた。
【妹背山】
玉津島神社の西側、県道をはさんで、妹背山がある。和歌浦湾の端、海に浮かぶ島のよう。潮が引くと陸続きになる。妹背山へと通じるのは、県内最古といわれる石橋の三段橋(さんだんきょう)。三段かどうか、いくつもの橋が連なっているような感じがする。
旅女子2人は、石橋や干潟、周りの風景を見ながら妹背山に上陸し、その周りを一周する道を歩く。
そして、その名の通り、昔も今も海を観る場所、潮の満ち引きなどを楽しむ観海閣(かんかいかく)へとやってきた。その前に、紀伊名所図会の絵図と解説が示され、かつての賑わいを想像して、この場所に来てみるのも良いかもしれない。この時期、観月の場所としてもいいだろう。
カニを見つけた三浦さん。騒がしい声に、一瞬で姿を隠した。五島さんは以前、この場所で開催された生物観察会に参加したことがあるという、水生生物がたくさんいると話した。そんな訳で、干潟に下りてみることにした女子2人。大きめの石を動かして、キューキャー言いながら、その下の小さなカニやヤドカリがたくさん。
後日訪れた時は、シオマネキも見られた。
旅女子が訪れた時、妹背山界隈は干潮で、かつ大潮の時期とあって、干潟がいつもよりかなり広く露出し、干潟越しの風景もまた絶景だ。所々に残る水に映る景色も良い。