由良・湯浅、醤油のルーツと醤油香る町を訪ねる旅

【醤油】
5回目の女子旅は、どこの家にもある日本の基本的な調味料の一つ「醤油(しょうゆ)」にまつわる場所を訪ねる旅。発祥の地として知られているのは湯浅町。今も残る醤油香る古い町並みは、重伝建(じゅうでんけん/後述)であり、日本遺産となっている。そして、そのきっかけとなった人物ゆかりの地は由良町。これらを6年ぶりのラジオ出演となる上林君江(うえばやし・きみえ)さん(写真左)をパートナーに訪ねる。

興国寺の楼門から旅が始まる

興国寺の楼門から旅が始まる

和歌山放送(和歌山市)から車で約1時間、由良町の興国寺(こうこくじ)へ。台風一過の蒸し暑い夏の日。蝉時雨の中、石畳の参道を上るところから旅が始まる。番組初、この日初対面の2人の女子旅をどうそ。年齢が近いこともあり、初対面とは思えないほどに息がぴったりの爆笑珍道中になった。

☆番組は、ここから聞くことができます。

【興国寺】
かつて、上林さんが興国寺を訪ねたことを知っていた番組ディレクターが、まずは語ってもらおうと出発地に選んだようだが、本人は、かなり忘れていた。楼門をくぐると、石畳のスロープがあり、さらに石段を経て、ようやく境内に到着することも。そんな訳で、旅の最初の興国寺参詣で、かなりの息が切れ、はあはあぜいぜいとなった女子1人。ちょっとちょっと。それはともかく、緑の木漏れ日が揺れる参道は美しく、写真映えする景色が広がっていた。さっそくSNSにロケ風景をアップして…と思ったが、上林さんはそういったことに対応していなかった。ただ、これは想定内。そんなこんなで旅を進める。

石畳の参道をゆく女子2人

石畳の参道をゆく女子2人

お地蔵さんにお参り

お地蔵さんにお参り

興国寺は、上林さんが語ってくれているのがほぼ正解と言って良い。ただ、創建は、法燈国師(ほっとうこくし)ではない。この寺は、1227年に、鎌倉幕府三代将軍源実朝(みなもとの・さねとも)の菩提を弔うために「西方寺」として建立され、その後、宗から帰国した法燈国師を住職に迎え、「興国寺」とし、宗旨を禅宗に改めてからは大いに栄えたとされる。そういうことから「興国寺」の始まりは法燈国師と言って良いのでは…。また、法燈国師が、宗から径山寺(きんざんじ/金山寺とも書く)味噌の製法を伝え、湯浅で醤油が誕生、発展した。

参道の石段を興国寺へ

参道の石段を興国寺へ

興国寺へ

興国寺へ

一方、火災で焼失した伽藍を赤城山の大天狗が一夜にして建立したという伝説があり、天狗堂に、長さ2.4メートル、幅2.7メートルの大きなお面が祀られている。

天狗堂へ

天狗堂へ

天狗堂の天狗面に挑む(?)

天狗堂の天狗面に挑む(?)

余談だが、天狗のお面を見た女子2人は、その大きさを8メートル(上林)とか、10メートル(三浦)と口にした。いやいや、それじゃぁ、3階建てのビルだよ。

興国寺

興国寺

本堂をうかがう怪しい女子2人

本堂をうかがう怪しい女子2人


【しらす丼】
興国寺から車で約20分、JR紀勢線の湯浅駅前へ。ここからは、湯浅をめぐる。その前に昼食を。湯浅といえばしらす丼。今回は、駅から近い「海ひこ」へ。

JR湯浅駅

JR湯浅駅

湯浅駅前通りを歩く女子2人

湯浅駅前通りを歩く女子2人

しらす丼の定番は「釜揚げしらす丼」、ここ湯浅では「生しらす丼」も選べる。しらす丼を提供する店を紹介するマップがあり、食べ歩き、食べ比べてみるのも面白い。三浦さんはプライベートでも湯浅のしらす丼を食べに来るほど大ファンで、上林さんは、初「生しらす丼」に舌鼓をうつ。

釜揚げしらす丼

釜揚げしらす丼

生しらす丼

生しらす丼

海ひこ前で記念撮影

海ひこ前で記念撮影

【湯浅醤油】
国道42号沿いにあり、大きな看板が目にとまる。湯浅醤油では、醤油造りの工程が見学できるほか、事前に連絡しておけば、案内をしてもらえたり、体験もできる。女子2人は、車を降りるとすぐ、顔出し看板を見つけ、写真撮影。そして、醤油造り見学が始まる。湯浅醤油の梅本美穂(うめもと・みほ)さんが案内をしてくれる。

顔出しはお約束だから

顔出しはお約束だから

梅本美穂さんに醤油造りを学ぶ

梅本美穂さんに醤油造りを学ぶ

醤油樽は100年前のもの。1樽で一升瓶3千本分の醤油ができるんだとか。原料はいたってシンプル。だが、仕込みから製品になるまで2年を要することを、初めて知った女子旅一行だった。

醤油の原料

醤油の原料

醤油を絞る機械

醤油を絞る機械

前から一度してみたかったとテンションが上がる上林さん。醤油樽に櫂棒を差し込んで撹拌するという行程。体験用はやや小ぶりというが、深さもあり、なかなかうまく櫂棒をさばけない。中でも上林さんの動きがなにかおかしい。一生懸命なのはわかる。しかし、その場が笑いに包まれる。加えて、歌が唄いたくなってきたと、聞いたことがあるようなないような歌が飛び出し、笑いの渦がさらに広がる。こうなると独壇場といえる。疲れも飛んで、すっかり、6年のブランクは埋まった感じ。

難しいと三浦さん

難しいと三浦さん

即興で唄も飛び出す上林さん

即興で唄も飛び出す上林さん

半被姿で櫂棒を手に記念撮影

半被姿で櫂棒を手に記念撮影

名札には「しょうちゃん」

名札には「しょうちゃん」

実際にもろみ(醤油の材料)を仕込んだり、醤油を醸造させている樽や、醤油を絞る機器などをガラス越しに見ながら、ビデオでも紹介されていて、さらに、案内役が補足してくれる。全体をペットボトルの中で行えるキットも販売されている。これは面白そうだ。

醤油造り学習中(ビデオ鑑賞)

醤油造り学習中(ビデオ鑑賞)

ペットボトルで醤油造り

ペットボトルで醤油造り

一通り見学を終えると、隣接するショップへ。ここでは、全商品の試食(試飲)ができるという。まるで利き醤油のようだが、それぞれに合った醤油を見つけてほしいという思いだとか。

めんつゆを味見

めんつゆを味見

醤油の試食(試飲?)

醤油の試食(試飲?)

そして、ウ・ワ・サのしょうゆソフトクリーム!海南市の黒沢牧場の濃い牛乳に、濃い湯浅醤油をブレンドしているんだとか。なるほど濃厚だ。そして、ここに、さらに、追い醤油をしてもおいしさが増すという。ぜひ試してほしい。ただかけ過ぎには注意して。女子2人の意見としては「追い醤油は1滴がいい」と。そんなことを話しながら、はしゃぎながらソフトクリームを味わっていると、新古敏明(しんこ・としあき)社長が登場。笑顔と柔らかい物腰ながら、醤油への思いは熱い。

しょうゆソフトクリーム!

しょうゆソフトクリーム!

新古敏明社長(右)と女子2人

新古敏明社長(右)と女子2人

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