【太地はクジラ】
太地町へ。まずは、眼下に太地漁港を見下ろす坂道へやってきた。メインキャストの3人が自転車で疾走するシーンが撮影された場所。現場に行くと、坂がかなり急なことに驚く。景色は、漁港だけではなく、湾が一望できる。絶景にはしゃぐ女子たち。そして、ここでも、指さしながらシーンを振り返る三浦さん。
バッシーによれば、撮影の休み、合間には、キャストがレンタルサイクルで町内を走ってめぐっていたという。太地町は、那智勝浦町に囲まれた県内市町村で最も小さな町。海に突き出した半島部に位置し、かつて、鯨の見張りをしていた岬があったり、各所にベンチがあったり。観光客に町内を見てもらうツールとして、ちょうどよい乗り物、自転車が借りられる。だから、太地町に行けば、このシーンは再現・体験が可能だ。また、メインキャスト3人の家は、実際のトレーナーさんたちの宿舎で撮影したということもバッシーが教えてくれた。3人ともとてもいい人たちだったという。
夏の遊泳期間にはクジラと泳ぐことができる「くじら浜海水浴場」にも立ち寄った。水のきれいさに感動する女子2人。浜を見て、打ち寄せる波の音を聞きながら、どのシーンがよかった?など、映画の話に花を咲かせていた。
そして、ついに、太地町立くじらの博物館にやってきた。映画のメインとなる場所。くじらもたくさんいる。7種類40頭のくじらが飼育されているんだとか。もちろん日本一の数だ。くじらの飼育主任で学芸員でもある稲森大樹(いなもり・だいき)さんに案内をしてもらう。稲森さんは、映画には監修スタッフとしてかかわったという。そして、稲森さんも前日に映画を見てきたらしい。
博物館に入ってすぐのショーの観客席がバッシーの出演シーンの撮影現場だったという。現場に着くまで、コミュニケーションを取る意味もあって、主演の矢野さんとセリフの練習をしたというバッシー。映画では、飼育プールとその観客席が近いように見えるが、実際の現場では、結構距離があり、声が聞こえなーいということがあったのだとか。
まずは、シロナガスクジラの骨格標本の大きさに驚く女子2人。実際にこの大きさの(あるいはもっと大きな)くじらがいるということに、またまたビックリ。
くじらの博物館には、くじらと捕鯨に関することなら何でもわかるのではないかという展示と、クジラやイルカとのさまざまな体験メニュー、また、クジラやイルカのショーも間近に見ることができる。今回は、そんな中から、くじらに実際に触れる体験をさせてもらう。「ビーチでふれあい」というメニューで、誰でも体験できる。映画の中で、望美(岡本)が中心となってまつりで披露するダンスがある。その歌に、「くじらは濡れたナスのよう」という歌詞があることから、ぜひとも自分たちで確かめたいというのだ。
ウェダー(胴付き長靴)を着用して、飼育員の脇美紗稀(わき・みさき)さんと一緒に、ビーチから海へ。すると、静かに、1頭のくじらが近寄ってきた。オスのオキゴンドウで、名まえは「キース」という。かわいいを連発しながらふれあい体験に感動しきりの2人。キースも気持ちよさそう。
体長4メートル、体重600キロだとか。番組で時々「ピーッ」と短い音が聞こえるのは、脇さんが吹く、クジラに合図を送るホイッスルの音。
最後は、海洋水族館マリナリュウムへ。施設に入ると目の前にアーチ状の水槽天井がある。自分でも驚くほどの大きな声をあげる三浦さん。映画のシーンを思い出したのだ。ここは、訪問者が海の中にいるような感覚が味わえる場所。丸いアーチ状の天井を、イルカが縦横無尽に泳ぐ。当然視界に入ってくるので、驚いたり、感激したりしながら、説明してくれている稲森さんを他所に視線が持っていかれることに。
女子2人が訪ねたときは、すでに閉園時間ごろだったためか、何人かのダイバーが水槽の壁を掃除中だった。イルカがダイバーと遊んでいるかのような光景も見られた。そして、真っ白なアルビノのバンドウイルカも。
水族館の階上へも行ってみた。飼育員がダイバーの作業を邪魔しないように、イルカたちの注意を引いているという。そして、アルビノくん(名まえは「スピカ」というらしい)は、水上では薄いピンク色にも見えた。
案内してくれた稲森さんは、映画は博物館の裏側、飼育員や学芸員らスタッフにスポットを当て、普段見ることがない、苦労なども紹介してくれている。気持ちがわかるシーンもあったという。映画を見て、関心がわいたら、博物館にきてほしいと話していた。女子2人も、もう1度映画を見て、また博物館を訪れようと思ったようだった。
【串本は…】
映画のメインキャストが訪ねた場所ではなく、直接ストーリーにも関係はないが、串本でも撮影されている。テレビクルーがリポーターを連れて観光スポットを紹介するシーンがある。そのひとつが串本町の橋杭岩。ロケ地巡りとして、串本町にも立ち寄りたいという思いから向かったが、車窓からのきれいな夕焼けがどんどん暗くなる。到着した時は、すでに日没後。新宮・那智勝浦では飲食、太地では体験と、予想以上に取材に時間がかかってしまった結果といえる。
立ち並ぶ岩がよく見えないほどあたりが暗い。それでもと、カメラを向けてみると、これまで見たことがないような青みがかった幻想的な橋杭岩が撮れた。そして、道の駅の駐車場に車が入るたび、照らし出される岩が、なんとも別世界感を見せてくれた。とはいえ、肉眼では、すでにほぼ真っ暗。なのでここで旅のまとめ、旅を振り返ることに。また来たい、また食べたい…という女子たちだった。
映画「ボクジラ」は、撮影期に台風が2度も襲来して大変だったようだが、撮影がもし今年だったら完成できたかどうか。ことしの台風は勢力が強く、被害も大きかったから…という声が聞かれた。無事完成し、上映できてなにより。
リンク集
- 新宮市
- 新宮市観光協会
- 徐福寿司
- 那智勝浦町
- 那智勝浦町観光協会
- cafe アマアイ
- 太地町
- 太地町立くじらの博物館
- 串本町
- 南紀串本観光協会
- 映画「ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。」
- 熊野灘捕鯨文化継承協議会
- 和歌山県観光連盟
- わかやまフィルムコミッション
- ジストシネマ
- イオンシネマ和歌山