発見!お宝!印南町
2016/02/05
印南産じゃなきゃ
ミニトマトがブームとなり、目にすることも多くなった。フルーツ感覚、おやつ感覚で食べやすいこともあって人気だ。しかし、印南町産、JA紀州のミニトマトが圧倒的においしい!
印南町の日裏勝己(ひうら・かつみ)町長に、印南町の大切なもの、今後に伝えていきたいものを聞いた。数ある中で、真っ先に「農業」の話が出た。今の季節ならミニトマトという。赤糖房®(あかとんぼ)、優糖星®(ゆうとうせい)、王糖姫®(おとひめ)というブランド・商品名で販売され、他の追随を許していない。夏は小玉スイカ、また、エンドウ豆類や花卉類も。ハウス栽培を中心に、農家とJAの研究と努力のたまものだが、行政(町も県も国も)も後押ししている。そして、印南町の気候・風土もあるだろう。それらが総合的に作用し合って産み出される作物、産物は、一度、手にしたり、口にしたりすると、どれも、「印南産じゃなきゃ」と思わせる。これをさらに発展させ、伝えていきたいという。
国体のその先へ
2015紀の国わかやま国体まで、あと8か月(240日)を切った。印南町では、ゴルフと自転車(ロードレース)競技が行われる。ゴルフは町内に3か所あるゴルフ場のうちの2か所が会場となる。自転車は、町内(一部はみなべ町)の県道や広域農道「黒潮フルーツライン」がコースとなる。このコースが、選手や関係者の中で注目度が上がっている。高低差が大きいアップダウンに加え、直角ターンやヘアピンカーブなど、かなりの難易度となっている。それゆえ、本当に実力のある選手じゃないと勝てない「良いコース」というのだ(ホームページにはコースも掲載されている)。
去年(2014年)のリハーサル大会で、スターターを務めた日裏町長は、その時初めて間近で見たロードレースについて、「鍛え抜いた選手による迫力ある競技」と話した。スタート直後、自転車の一団が通り過ぎたとき、「風が吹き、驚いた」と。そして、リハーサル大会では、男子のレースでチーム和歌山の窪木一茂(くぼき・かずしげ)選手(県教育庁)が優勝したこともあり、今年の本大会も優勝をと期待を込める。難関コースということもあり、時折り、練習に来ている選手の姿を見かけることがあるという。
一般道がコースとなるロードレースは、競技場で行われる競技と違い、国体が終わると会場には何も残らない。しかし、自分たちの町が会場となったこと、普段利用している生活道路を国内のトップ選手が走ったこと、そして、町民が一致団結して取り組んで成し遂げたという思いが残るはずだと日裏町長はいう。国体への取り組みといえば、国体の成功、チーム和歌山の上位入賞がゴールと思われがちだが、印南町はさらにその先、国体を成功させた町民パワーを町の活性化やまちづくりに活かしたいと。今後の印南町に注目したい。
町長応接室には、印南町のシンボル「かえる橋」と、町のマスコットキャラクター「カッくん(緑)&エルちゃん(黄)」の競技イラストが描かれた写真撮影用背景ボードがあった。役場前の歩道橋には国体開催を知らせる幟がずらり。PRにも余念がない印南町。
わさびが好きだから続けられる
印南町が発祥のものに、かつお節と真妻(まづま)わさびがある。かつお節は、日本人の食文化に欠かせないものだが、残念ながら今は、町内では生産されていない。国道42号沿いの印南漁港に、発祥の地を告げる標柱があるだけだ。一方の真妻わさびは、山間部の真妻地区(現・川又地区)が発祥の地で、こちらも案内板が立っている。かつお節と違い、栽培・生産しているわさび農家はある。しかし、その栽培の難しさや環境の変化などもあり、産地というにはさびしい状態となっている。
子どものころから、わさびが好きだったという、わさび農家の四代目、平井健(ひらい・たけし)さんを訪ねた。まず「一般の人は知らないと思うけれど、わさびは種類が多い」と平井さん。大きく分けると真妻と実生(みしょう)に分かれるという。実生は1年~1年半、真妻は2~3年かかる。真妻は、名まえが一人歩きするほど人気の品種だが、栽培はとても難しいらしい。特に、夏を越すのが大変という。
わさび栽培の条件として、標高300m、水温が一年を通して13度くらい。20度を越えると腐ってしまうらしい。平井さんのわさび田は標高が丁度300mくらいという。このぎりぎりな条件が良いのかも。暑すぎず、寒すぎず、日当たりも加減が微妙で、わさびの声を聞きながら調整する必要があると平井さん。真妻だけでは生活出来ないとして、色んなわさびを作っている。真妻も、試験栽培は続けているが、なかなか本格出荷には至っていない。加えて、紀伊半島大水害では、土砂崩れや川の増水で大きな被害を受け、この年はほとんどがダメになったと。
「わさびは葉や茎も辛いのか?」素朴な疑問をぶつけた中川アナに、「食べてみますか?」と平井さん。
「スーッとしてきた。あー、わさびの香りが…。あ、来た。ちゃんとわさびだぁ!」葉わさびや茎わさびなどという商品もあるので、考えれば当たり前のようだが、葉や茎を食べる別の品種がある気もしたので、確認しただけと、やや強がる中川アナ。
平井さんは葉や茎をつかった加工品も作っている。それらはハウス栽培のわさび。ところで、わさびの葉ってハート型をしている上、先端にはさらに小さなハートが…。わかります?
市場に出荷はしていないが、平井さんの真妻わさびを使っている飲食店もあるという。真妻わさびを見かけたら(出会ったら)、「産地は?」と聞いてみて。「和歌山・印南産」となれば、平井さんとこのものに、ほぼ間違いない。
印南町の防災
町役場近くにある印定寺(いんじょうじ)。ここには、過去の南海地震・津波の犠牲者が刻まれた碑などがある。これを教訓に、近い将来、発生が懸念される3連動地震や南海トラフ巨大地震に備え、印南町では、避難路の整備とともに、地震が起きれば高台へ避難を町民に徹底していくと日裏町長。大津波が来たら役場庁舎も3階まで水没することが予想されるとして、高台移転が決まり、来年度(2015年度)末までには着工するという。
菜の花のお出迎え
印南インターチェンジを降りると、かえる橋が前方に見えてくる。髭白アナのイメージに「かえる橋と菜の花」と「かえる橋と梅の花」があるらしい。1月中旬はどうかなーという期待半分で、インターを降りると、菜の花がちゃんと迎えてくれたらしい。なぜか、インター出入口のその畑だけ、菜の花が咲いていた。そばには、みかんも…。少し走るとロウバイが咲いていた。
美しい夕暮れと満天の星
印南町は広い。海岸部、中間部、山間部などと分けられる。海岸部には、国道42号が通り、切目川(きりめがわ)が海に注いでいる。海岸は細かな砂利浜だが、波打ち際まで近づかないと、波の音は聞こえない。この日は快晴で気温も高かったので、海岸に降りてみた。美しい夕暮れ風景だ。
そして夜、空を見上げると満天の星。それほど奥ではないのに、街明かりの影響をほとんど受けていない夜空が広がっていた。思えば、和歌山市からも田辺市からも、そこそこ離れている上、山道には街灯もほとんどない。この日は月明かりもない。試しにカメラを夜空に向けてみた。話題のラブ・ジョイすい星もスバルもばっちり撮れていた。
【リンク集】
- 印南町
- 印南町の国体
- JA紀州
- 国体自転車リハーサル大会、個人ロード男子で窪木が優勝(和歌山放送ニュース~2014/08/24)
- 紀の国わかやま国体リハーサル大会「第49回全国都道府県対抗自転車競技大会」その1(和歌山放送夕暮れわかちゃんCLUB~2014/08/24)
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