発見！お宝！御坊市

2016/09/24

子どもたちに遊んでほしい

8月最終土曜日、27日、2年ぶりに御坊市花火大会に出かけた。毎回思うことだが、御坊市は、祭りに集う人の密集度合いがすごい。これまでは、日高川の右岸の歩行者天国に腰を据えて、花火見物をしていたが、今回初めて、花火が打ち上げられている最中に、本部席を出発し、御坊大橋を渡り、左岸を河口方面に向かい、国道42号天田橋（あまだばし）を渡り、右岸の歩行者天国に戻ってきた。日高川沿いの家々、道々は右岸左岸に限らず、市民らが花火を楽しんでいたり、バーベキューのようなことをしていたり、楽しんでいた。そして、メインの見物会場はいうに及ばず人であふれていた。「人を見たけりゃ御坊祭」の例を挙げるまでもなく、御坊の人々は、どの祭りということではなく、地域の祭りを楽しむ気質にあふれていることがわかる。素晴らしい。

御坊市花火大会のにぎわい

ご存知の通り、御坊市では、ことし5月に市長選挙があり、現職の柏木征夫（かしわぎ・いくお）市長が7選を果たし、7期目市政が始まっている。この番組だけでも3度目に会う髭白アナ。75歳とは思えないはつらつさと、いつもながらの柔和な笑顔と優しい語り口が魅力的だ。花火大会でも自ら花火の記録写真を撮り、寄付などの応援をしてくれた人に配るべく精力的に作業中だと話していた。

御坊市の柏木征夫市長

御坊市生まれで、京都大学を卒業後、大学や九州に職を得たあと、和歌山県職員を経て、ふるさと御坊の市長となった。ふるさとはどんな場面でも優しく受け入れてくれる。「ふるさと御坊市」が好きだという市長に、思いを聞いた。せっかく、自然がいい状態でそこにあるのに、最近の子どもたちは遊び方を知らないのが残念と話し、祖父母から両親から遊びを伝えていってほしいと話した。気軽に川で泳げないという現代の事情もあるのだろう。だから、自ら動植物図鑑を作ったり、Sioトープを作ったりしているという。祭りに集うその気質があれば、と外野は思うのだが、親世代の思いもあってことは単純ではない側面もありそうだ。始まった任期では、高齢者が安全に暮らせて、子どもたちが意欲的に勉強し、遊べるように力を注ぎたいと話し、また、今は必ずしもすべてが元気がある訳ではないが、農林漁業も発展させたいと意欲を示した。

御坊市花火大会のフィナーレ

番組で紹介した「第10回宮子姫（みやこひめ）みなとフェスタ」は、11月13日（日）開催。出展者や時代行列出場者などを募集中。詳しくは、こちら。

なかがわ

寺内町の一角に、まだ新しい和風の建物を見つけた。2年前の夏に開店した「そば＆Café なかがわ」（御坊市御坊）を訪ねた。信州そばにこだわり、手打ちにこだわったそばが食べられる。かつて日高御殿（ひだかごてん）と称された中川邸を、和歌山県福祉事業団が買い上げ、中に、食事ができる場所を設け、障がい者の就労訓練施設も兼ねてオープンしたという。そば＆カフェの建物は、もとは倉庫だったとは思えないほど、和風の居心地の良いスペースとなっている。

そば＆カフェ「なかがわ」の門をくぐる

門をくぐり、戸を開ける。18席と、それほど大きくはないが、食事時は、曲が途切れない。訪れた日も雨が降ったりやんだりの天候だったが、にぎわっていた。

なかがわ店先

天ぷらそば（冷）を注文。天ぷらがさくさくで驚かされた。のどごしのよい手打ちそば。それに、そば湯も楽しめる。

天ぷらそば（冷）をいただく

器も味わいがあったので聞いてみると、手作りで、同じく買い上げて整備中の隣接、小竹（しの）邸で他の雑貨類などとともに販売する計画もあるようだった。コーヒーをいただいた。落ち着いた。

手作りのカップでコーヒーをいただく

門の外に数台の駐車場スペースもあるので、ぜひ立ち寄ってほしい。営業時間は午前11時から午後2時半という掲示があった。水曜が定休日という。

なかがわ店内の案内

和歌山県福祉事業団、日高圏域通所事業所の田中達也（たなか・たつや）所長に話を聞くことができた。中川邸も特別に見せてもらった。同じ中川で驚きながら所長についていく中川アナ。そう、「そば＆Café なかがわ」とその周辺（庭園など）は自由に出入りできるが、中川邸自体は、普段は開放されていない。障がい者の作品展示会などに「ギャラリーなかがわ」として一部が使用されることがある程度という。

日高圏域通所事業所の田中達也所長に話を聞く

中川邸は、1955年（昭和10年）に、当時、一般住宅が1,000円ぐらいだったころに、10万円の巨費と5年の歳月をかけて建築された歴史も価値もある建造物だが、管理が大変ということで、大阪在住の所有者から、解体・撤去話も出ていたという。だが、あまりに惜しい上、寺内町にとってもマイナスになると、御坊まちづくり委員会が買い手を探していた時、事業団が手を挙げた形という。

中川邸・入口

中川邸・入口の受付

中川邸の玄関を入り、部屋を案内してもらうにつけ、部屋数の多さや、美しさ、いい素材を集めて、丁寧に作られていることが、素人目にもはっきりとわかった。撤去されずによかったと思う。

中川邸・暖炉のある応接間

ラジオです！

暖炉のある応接間の隅に、古いラジオがあった。鳴ってほしいと思った。そういう日が来てほしい。

中川邸室内

中川邸室内・廊下

2階も見せてもらう。これは、あれは、こっちは…と、田中所長。驚く間もなく、ついていく中川アナ。

2階も案内してもらう

随所に高貴な紋があしらわれている部屋があり、貴賓室の面影が感じられた。

欄間には高貴な紋

庭園を見おろす。その向こうには、同じく買い取って改修中の小竹邸が見える。いい場所を見つけた。また、足を運ばなくてはいけない。

２階から庭を見おろす

中川邸で「第2回アールブリュット和歌山展魂のであうところ」が10月15日から開かれる。詳しくは、こちら（PDF）。

小竹八幡神社とまちの駅

「人を見たけりゃ御坊祭」の舞台、御坊市薗（その）の小竹八幡神社（しのはちまんじんじゃ）へ。国道42号から近いことに、今回改めて気づいた。御坊祭は、10月4日・5日に開かれる。

小竹八幡神社に参拝

寺内町の赤レンガ塀を眺める中川アナ

大きな寺内町散策マップ

寺内町プチ散策の中川アナと、探していたことし4月オープンの「まちの駅ごぼう」が神社の向かいにあったことを知った髭白アナ。物産の販売所などはないが、トイレと駐車場があり、寺内町散策者にはいい場所となっている。

「まちの駅ごぼう」第１号

舞妃蓮の郷

季節外れは承知の上で、気になっている場所があると、こちらもなんとなく探しながら車を走らせていると、見つけた。

舞妃蓮の郷

舞妃蓮（まいひれん）という蓮をご存じだろうか。2千年前の地層から見つかり、大賀一郎（おおが・いちろう）博士によって現代に蘇ったことで知られ、全国で栽培されている有名な「大賀蓮（おおがはす）」。この蓮を大賀博士とともに和歌山で育て、広めた御坊市の阪本祐二（さかもと・ゆうじ）さんが、アメリカの黄花ハス「王子蓮」と交配させて作り上げた御坊市生まれの蓮で、花の開閉があたかも女性の舞い姿のようであることから、この名がつけられたという。1969年（昭和44年）のこと。

舞妃蓮の郷・東屋に中川アナ

蓮をゆっくり見てもらいたいという思いから、ことし、休耕田を利用してオープンさせた「舞妃蓮の郷」。東屋（あずまや）が真新しく、完成したばかりということを印象づけてくれる。場所は御坊市吉田（よしだ）、吉田八幡神社の近く。蓮の見ごろは7月ごろという。来年は忘れずに来なくてはいけない。（場所の詳細：御坊市藤田町吉田1108付近）