発見!お宝!和歌山市
2016/05/03
住みたいと選んでもらえるように
ことしの桜は、開花はやや早く、花の時期は長かった。和歌山市内の桜の名所の一つ、和歌山城がある和歌山公園も、昼間だけではなく夜も含めて、連日、花見客で賑わっていた。花を愛でる人、散策する人、宴を開く人、お堀の舟に乗る人、記念撮影をする人、などなど。お城と桜は、本当によく似合う。
和歌山市の尾花正啓(おばな・まさひろ)市長を訪ねた。市長室の大きな窓からは和歌山城がどーんと見える。「桜満開のころはさぞ絶景だったことだろう」と話を向けると、「ここからは桜はそんなにたくさんは見えない」という話。そして、「植えてほしいんだけど、植えにくいようで…」と、市長は少し残念そう。県都和歌山市ということもあり、いろんな催し、セレモニー、それに、取材の場面で、尾花市長を見かけることは多い。だが、実は話をうかがうのは初めてという髭白アナ。まずは、新年度が始まった…という話から。
安定した雇用を創出することで、人が仕事を呼び、仕事が人を呼ぶ好循環を作っていく。住んでみたいと選ばれる町づくりを目指す。結婚、出産、子育てが安心に行えるサポートとともに、同居や近居を促進する、などなど。中学生までの医療費無料化も、8月から実施という。また、京奈和道がいよいよ和歌山市までつながるほか、再開発の動きも盛んな和歌山市。髭白アナにとっては、生まれ育ち、中川アナにとっても暮らし、職場もある和歌山市。今後を期待して注目したい。
去年(2015年)秋に開かれた紀の国わかやま国体・大会では開・閉会式を含め、中心的な会場・役割を果たした和歌山市。これについては、職員も市民も一体となって、おもてなしの気持ちで協力して成果を上げ、訪れた人から「また来たい」と言ってもらえたことがうれしいと話した。そして、いろんなスポーツについて、トップアスリートの競技を間近で見て、触れあえた子どもたちにとって、競技スポーツとしても、趣味のスポーツにしても、得たものは大きかったはず、財産になったに違いない、と。そして、余談だが、市長も若いころは、テニスやスキーをしていたという。多忙もあってか「今は何もしていない」とのことだった。時間ができたら…の問いには「家庭菜園で野菜づくりをしたい」という意外な答が返ってきた。だが、市長に就任するまではやっていたらしい。
和歌山城のお堀で舟に乗る
桜が満開となった和歌山城をお堀の舟から眺めるというイベント「お堀で舟に乗ろう~お花見遊覧~」を知り、早速、乗せてもらうことに。この日は、満開をすぎて、散り初め。お堀にちらほらと花びらが浮かび、花筏も少し見られるという絶好の日。天気も上々で、水面の風も心地よく、ちょっと贅沢な気分を存分に味わうことができた。
一の橋近くの特設桟橋から、まずは、岡口門方向へ、ターンして、一の橋をくぐり、お橋廊下をくぐり、紅葉渓庭園でターンして、帰港するおよそ20分。船頭の岸真樹(きし・まき)さんが、和歌山城のあれやこれやをガイドしてくれる。今後も紅葉が見ごろになる12月初旬まで、土日祝日に運航を続けるという。
堀の遊覧船は、天守閣再建50年の2008年に「城(しろ)フェスタ」のイベントの一つとして始まり、人気だったが、船頭不足などで3年前の秋から中断。しかし、岸さんが専属船頭を務めることで、徳川吉宗将軍就任300年のことし、復活した。岸さんの出で立ちもユニークでガイドとしてのおしゃべりは滑らかで面白い。人気の所以だ。
遊覧船は、世界遺産の川の参詣道(さんけいみち)となっている熊野川の舟下りにも使われている三重県紀宝町(きほうちょう)の船大工が手づくりした熊野杉の舟を用いている。桟橋付近は30センチから50センチ、深いところでも1.5メートル程度というすっかり浅くなってしまったお堀には、この舟が最適なのだという。
紅葉のころに再び乗せていただく約束をして、楽しい取材を終えた。
若鮎が遡上する季節
5月以降、和歌山県内の河川では、順次、鮎漁が解禁になる。その鮎は、地域の漁協などが稚魚を放流しているほか、天然遡上も多い。鮎は清流の象徴で「清流の女王」とも呼ばれる。その天然遡上が和歌山市の紀の川で見られるという情報を得て、取材に出かけた。
場所は、紀の川下流の紀の川大堰の魚道(ぎょどう)。大堰はその名の通り、堰=ダムなので、そのままだと、川の生き物が上流と下流を行き来できないことから、魚専用の通り道として魚道が整備されている。紀の川大堰の場合、両端に数種類の魚道が設けられ、いろんな魚類に対応している。魚道は一部を除いて上から見られるほか、左岸には、魚道を間近で横から見られる魚道観察室がある(平日と日曜の日中は開放されていて、誰でも見られる)。右岸左岸は、下流方向を向いて、右左それぞれのこと。
鮎は主に階段式魚道を遡上する、そんなわけで、紀の川大堰を管理運用する国土交通省・近畿地方整備局・和歌山河川国道事務所の流水調整課、松浦良宏(まつうら・よしひろ)課長に協力をいただき、大堰の案内とともに、鮎の遡上データも教えてもらった。遡上数は、近年、増加中という。
遡上する何万尾という鮎だが、調査は目視観測という。ス、スゴイ!!
紀の川漁協とともに、鮎を調査している和歌山河川国道事務所によれば、ことし(2016年)は、3月6日に初めての遡上が確認され、見られない日もあったものの徐々に増え、今月(4月)12日以降、1日10万尾を越える本格的な遡上となり、今月20日には、30万尾を上回ったいう。ただ、天候や水温、水の透明度などにより、遡上数にばらつきがあるほか、日や時間帯によって、右岸と左岸の一方だけで遡上が確認されたりと、気まぐれな面もあるとのこと。
中川アナが取材した日は、鮎は見られたもの、大量の鮎ではなく、また、飛び跳ねるように遡上する姿もなかった。そのため、髭白アナは何度か通い、写真取材を敢行、元気な鮎の姿を捉えた。ゴールデンウィーク明け、5月上旬ごろまで、遡上が続くということなので、連休に訪れてみてはいかが。
はねる鮎、はねない鮎、いずれにしてもさすが清流の女王、美しい。
魚道観察室では、魚道の観察の他、階段式魚道を調整する機械の一部も見ることができるようになっている。パネル展示や、魚の種類別の遡上のスケジュールなども掲示されている。
紀の川大堰はダム
紀の川大堰はダムの一種、可動堰。水量の調整が一番の役目。紀の川と、紀の川に注ぐ支流の水量、流量を、上流の奈良県内にある大滝ダムとともに管理している。大雨などによる洪水を防ぎ、日照りなどによる渇水も防ぐ。堰の上流域で水道水などを取水していることから、堰で海水の流入を防ぐ役目もあるのだとか。
特別に、大堰の可動部の見学もどうぞと、松浦課長に案内してもらった。
ヘルメットと軍手をお借りし、中川アナも装着。なかなか見られない姿といえる。
とにかく、大きい。太いワイヤーと大きな巻き上げ装置に、圧倒される。
大堰の上流側と下流側の右岸付近と左岸付近の川の中に立つ構造物は、流水塔というもの。川の水位や水質を調べている。
左岸にある水ときらめき紀の川館は、和歌山河川国道事務所の紀の川大堰管理所でもある。
1階は一般開放施設で、紀の川のいろいろな情報が展示・掲示されている。データもそうだが、災害のパネル展示などもあり、子どもだけでなく、大人も存分に学習できる。ここ、オススメ。
ところで、ダムカードをご存じだろうか。日本のダムの多くで入手できる(もらえる)統一フォーマットのダム情報カードのこと。ダムやその管理事務所を訪れると入手できる。和歌山市内では、紀の川大堰で手に入る。統一フォーマットのカードというところがポイントで、収集家の心をくすぐるものらしい。全国にダムファンは多いというのだ。ダムカードファンも。
実は、たまたまダムカードの存在を知った髭白アナが中川アナを伴って、ことし3月、紀の川大堰管理所を訪ねたのが始まり。そこで松浦さんから鮎の遡上の情報をもらい、今回の番組につながった。ちなみに、紀の川大堰のダムカードは、年間、2,000~3,000枚配られているらしい。1人1回1枚で、郵送などには対応しておらず、行く必要がある。ダムファン、ダムカードファンはかなりいそうだ。
水ときらめき紀の川館の屋上は展望所になっていて、紀の川大堰を含む紀の川と流域などを一望出来る。
秋には、卵からかえった稚鮎が、遡上の比ではないほどの大量に川を下っていくそうで、それもまた見にいきたいと思う。
秋葉山公園のリスは鳴く
和歌山市の尾花市長とインタビュー取材には、髭白アナの他に、和歌山放送の和歌山市政担当記者、覚道アナも同席した。発表されるスケジュールだけでも分刻みで、日々超多忙な市長について、リフレッシュ法やストレス解消法などを尋ねた。なかなか休みが取れない市長だが、犬を連れて秋葉山公園市民の丘に散歩に出かけるとの話を聞いた。
「秋葉山は面白いですよ」と切り出した市長は「台湾リスが多く繁殖していて、鳴くんですよ!」と。「犬のようにも、鳥のようにも聞こえる」と話し、「ぜひ、取材して下さいよ」と宿題をもらった。
そんなわけで、髭白アナは、秋葉山公園へ。かなり久しぶりに訪れた市民の丘は、登り口から変化が著しく、すっかり見違えた。そういえば、国体を前にリニューアルしたっけと思い出す。鬱蒼とした中にあった直線的な階段は姿を消し、花畑の中を緩やかにカーブしながらのぼる明るいスロープになっていた。
山頂(?)も見違えた。トイレがきれいに立て替えられ、これまであったコンクリートの展望塔がなくなり、遊具のような展望台に。これは驚いた!
驚いてばかりではいけない、リスだった。何か所かあった餌付け場所はそのままだったので、しばらく耳を澄ますと、カサッコソッっと音がする。そして、ジャジャーン!主役登場!人に慣れているせいか近寄っては来てくれる。だが、鳴き声は披露してくれなかった。ケイゾク調査決定となった!
皆さんも訪ねてみて。ただ、市民の丘には駐車場がないので、公共交通機関(バス)を利用するか、近くのコインパーキングに停めて、どうぞ。
徳川吉宗将軍就任300年
和歌山市湊本町、和歌山放送本社のお隣にある和歌山市立博物館。ここで、徳川吉宗将軍就任300年を記念した特別陳列「徳川吉宗と紀州の明君」が開かれている。5月29日まで。額田雅裕(ぬかた・まさひろ)館長に案内してもらった。博物館収蔵品を中心にした展示。肖像画の掛け軸や城下町の地図など鮮やかに色がついたものもあり、また、手紙などもしっかり残っている。入場料100円というのも素敵だ。
関連リンク
これまでもそうだが、この番組の取材は、結構、長期間にわたって行われる。そのため、その時々で、和歌山放送のニュースなどにもなる。リストアップすると…。
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