「和歌山県は “音の出る信号機の設置率” が1位」というフレーズを、ミュージックソンだけではなく、よく聞いたり見たりするようになりました。それが定着し、そのことが県民の自慢になって、「みんなで増やそう!」と思いになり、ミュージックソンに募金を寄せていただけるという好循環ができているとすれば、非常にありがたいことです。
もちろん、この「設置率1位」は、和歌山放送が築き、獲得した勲章ではありません。和歌山県と和歌山県警を中心とする視覚障がい者にやさしい交通政策の大きな成果の一つです。ミュージックソンはその一翼を担っているにすぎませんが、「設置率1位」は、皆さんとともに、和歌山放送の誇りになり、ミュージックソンを続ける励みにもなっています。そして、毎年のように募金を寄せていただける皆さんには感謝以外ありません。ありがとうございます。
「設置率1位」とは、どういう数字なのでしょうか。
(1) 信号機の数え方
1つの交差点で1基と数えています。大きな交差点や交わる道路が多い交差点は、物理的な信号機の数が多くなりますが、そういうことではありません。ですから、音の出る信号機を1基設置するということは、1つの交差点に設置するということです。つまり、1つの交差点が音の鳴る交差点になるということを指しています。
(2) 音の出る信号機の数
全国の都道府県別にみた信号機の数は、信号機のある交差点の数となります。音の出る信号機も然りで、音の出る信号機のある交差点の数となります。一般的にその数は都会の方が多く、面積の広い(特に北海道)地域の方が多いということになります。
(3) 設置率
「信号機のある交差点に占める音の出る信号機のある交差点の割合」ということになります。分数表示をイメージしていただくなら、分母が「信号機のある交差点の数」で、分子が「音の出る信号機のある交差点の数」です。ともにミュージックソンを実施している和歌山県と沖縄県が20%を超えていて、1位と2位を走っています。全国平均は10%にわずかに届いていません。和歌山県と沖縄県は、全国平均の2倍以上の設置率で、信号機のある交差点の5つに1つは、音の出る信号機が設置されていることになります。物理的に数が多い警視庁の4位はすごい数字といえるかもしれません。そして、その管内は、ミュージックソン発祥のニッポン放送のエリアとなります。
☆音の出る信号機の設置率(上位7位と全国/小数点2位四捨五入)
順位 | 都道府県 | 設置率(%) | 音の出る信号機数 | 信号機数 |
---|---|---|---|---|
1 | 和歌山県 | 22.8 | 425 | 1,867 |
2 | 沖縄県 | 22.2 | 470 | 2,119 |
3 | 鳥取県 | 17.4 | 226 | 1,302 |
4 | 警視庁 | 16.7 | 2,677 | 15,984 |
5 | 京都府 | 16.5 | 556 | 3,360 |
6 | 高知県 | 15.9 | 240 | 1,510 |
7 | 石川県 | 15.7 | 375 | 2,383 |
- | 全国 | 9.9 | 20,621 | 207,848 |
※和歌山県警がまとめた今年(2021年)3月末現在の都道府県別データです。(東京都に限り、警視庁としてまとめ)
設置率1位は誇りであり、長く続いていくことを願っていますが、その順位や数というよりも、競い合ってでも、全国的に音の出る信号機が増え、目の不自由な方が、安心して街を歩けるようになることがイチバンです。その助けになることを願って、私たちはミュージックソンを続けていきます。
今後ともご理解、ご協力をお願いします。