皆さんは、まちなかで、「ピヨ、ピヨピヨ」または「カッコー、カカッコー」という鳥の鳴き声のような音を聞いたことはありませんか。それが、「音の出る信号機」が発している誘導音です。
和歌山放送では、昨年度(2020年度)の「ラジオチャリティ・ミュージックソン」に寄せられた浄財で、新たに「音の出る信号機」2基を和歌山県に寄贈しました。今回のミュージックソンにあわせ、期間中に、和歌山市内と新宮市内で新たに1基ずつ稼働します。
和歌山県は「音の出る信号機」が多いことでも知られています。設置率は20%を超えていて、全国1位を25年以上にわたり続けています。和歌山県内では、信号機の5台に1台以上が、音の出る信号機ということです。
もちろんこれは、和歌山県や和歌山県警の視覚障がい者にやさしい交通政策の成果ですが、その一翼を担うキャンペーンとして、ラジオチャリティ・ミュージックソンを続けていく和歌山放送スタッフ全員の誇りにも励みになっています。そして、それは、とりもなおさず、ご協力いただいた皆さんのおかげです。
和歌山放送ラジオチャリティ・ミュージックソンが寄贈した音の出る信号機の市町村別設置実績(今年度設置分を含む)は次の通り、計112基です。
【和歌山県】 和歌山市36基、田辺市15基、新宮市12基、白浜町6基、海南市・橋本市各5基、上富田町4基、岩出市・御坊市各3基、紀の川市・かつらぎ町・那智勝浦町・串本町各2基、有田市・有田川町・広川町・湯浅町・日高町・みなべ町各1基
【大阪府】 泉佐野市5基、貝塚市・阪南市各2基
では、皆さんは「音の出る信号機」の「音」を聞いたことはありますか。ほとんどの方は「ある」でしょう。では、どんな音が鳴っているかご存じですか?
この音は、目の不自由な方に「青信号」を知らせるものてす。「カッコー」や「ピヨピヨ」という鳥の鳴き声だとご存じの方はよく聞いている方です。では、もう少し深堀りしましょう。
この鳥の声のような信号機の音は「擬音式の異種鳴き交わし方式」といって、和歌山県内の音の出る信号機はすべてこの方式です。かつては、「メロディ式」もありました(他府県ではまだあると聞きます)。ミュージックソンの基金の名称になっている「通りゃんせ」はメロディ式の代表的な曲です。
鳥の鳴き声は、道路の方向などにより、決まっています。これは目の不自由な方が迷わないためです。東西、または、主道路横断用が「カッコー」系で、南北、または、従道路横断用が「ピヨピヨ」系です。
さらに、向かい合う信号機が別の音を発しているのは気づいていますか。「カッコー」系では、「カッコー、カッコー」と「カカッコー、カカッコー」、「ピヨピヨ」系は、「ピヨ、ピヨ」と「ピヨピヨ、ピヨピヨ」と鳴っています。
ご存じだった方、気づいていた方は素晴らしいです。そうなの?と思われた方、音の出る信号機の音をぜひ、聞いてみて下さい。