皆さんは、まちなかで、「ピヨ、ピヨピヨ」または「カッコー、カカッコー」という鳥の鳴き声のような音を聞いたことはありませんか。それが、「音の出る信号機」が発している音(誘導音)です。
「音の出る信号機」とは「音響装置付信号機」のことです。一般の交通信号機に、視覚障がい者用交通信号付加装置が付けられた信号機のことで、この装置は、原則として、青色点灯を音で知らせます。実際には、横断者のための装置ですので、「音の出る信号機」が設置されると、「音の鳴る交差点」や「音の鳴る横断歩道」となります。
誘導音は、擬音式とメロディ式があり、当キャンペーンの基金の名称にもなっている「通りゃんせ」は、初期の「音の出る信号機」に使用されていたメロディの代表的なものです。その後、目の不自由な方をはじめとする障がい者が混乱することがないよう、警察庁が、2003年10月に「視覚障害者用付加装置に関する設置・運用指針」を制定、各都道府県警に対し「擬音式の異種鳴き交わし方式を整備するよう」通達が出されました。これ以降は、新設の信号機はもとより、信号機の更新の際に置き換えられているそうです。「擬音式の異種鳴き交わし方式」とは、主に鳥の鳴き声で、道路の方向などにより、鳴き声が異なるというものです。「カッコー・カカッコー」(東西、または、主道路横断用)と「ピヨ・ピヨピヨ」(南北、または、従道路横断用)などです。そして、和歌山県内の音の出る信号機はすべて「擬音式の異種鳴き交わし方式」となっています。
和歌山県は「音の出る信号機」が多いことでも知られています。実数ではなく、信号機のある交差点に占める音の出る信号機の割合が25年以上にわたって全国1位を続けています。2020年3月末現在の設置率は、22.2%に上ります。
和歌山県内では、信号機の5台に1台以上が、音の出る信号機です。もちろんこれは、和歌山県や和歌山県警の視覚障がい者にやさしい交通政策の成果ですが、その一翼を担うキャンペーンとして、ラジオチャリティ・ミュージックソンを続けていく和歌山放送スタッフ全員の誇りにも励みになっています。そして、それは、とりもなおさず、ご協力いただいた皆さんのおかげです。
和歌山放送ラジオチャリティ・ミュージックソンに寄せられた浄財で寄贈した音の出る信号機の市町村別設置実績(今年度設置分を含む)は次の通り、計110基です。
【和歌山県】 和歌山市35基、田辺市15基、新宮市11基、白浜町6基、海南市・橋本市各5基、上富田町4基、岩出市・御坊市各3基、紀の川市・かつらぎ町・那智勝浦町・串本町各2基、有田市・有田川町・広川町・湯浅町・日高町・みなべ町各1基
【大阪府】 泉佐野市5基、貝塚市・阪南市各2基