お礼と感謝

「第31回wbsラジオ チャリティ・ミュージックソン」のお礼と感謝

 視覚障がい者の皆さんに役立つ「音の出る信号機」を設置することなどを目的とする「通りゃんせ基金」募金をリスナーのみなさまに呼びかけるキャンペーン「wbsラジオ・チャリティ・ミュージックソン」は今年、31回目。12月24日正午からの24時間特別番組と、県内20か所以上に設置した募金基地「愛の泉」での募金活動は25日正午、無事終了することができました。ありがとうございました。

 今年のテーマは「Wで、つながるっ」。今年5月、AMラジオ局の和歌山放送はワイドFM(和歌山親局94・2メガヘルツ、御坊局92・4メガヘルツ、田辺局91・6メガヘルツ)で放送を開始し、12月22日には、新宮局94・2メガヘルツ、串本局92・4メガヘルツ、九度山局91・6メガヘルツに予備免許が交付され、17年春ごろに開局する予定です。「AMも、FMも。ラジオはW(ダブル)で」、お聴きいただけるようになります。大規模災害発生時でも地域に密着した放送をお届けするために整備を進めています。これからも、「あなたとつながるメディア」として、ラジオを通じて助け合いのつながりを感じていただければと思います。

 キャンペーンは、和歌山放送と全国のラジオ10局<STVラジオ(北海道)、青森放送、IBC岩手放送、ラジオ福島、ニッポン放送(東京)、ラジオ大阪、中国放送(広島)、西日本放送(香川)、九州朝日放送(福岡)、ラジオ沖縄>を結んでお送りしました。過去30回のキャンペーンで寄せられた募金総額は、1億8,212万5,727円。音の出る信号機を和歌山放送の放送エリアである和歌山県内と大阪府南部地域に計102基寄贈することができました。本当に、本当にありがとうございました。募金活動は、1月31日まで実施していますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 募金活動には、和歌山県交通安全母の会のお母さんたちや日本ボーイスカウト和歌山連盟と和歌山市軟式野球連盟の少年少女たち、大学生や地元高校生の皆さんなど大勢のボランティアの方々に協力していただきました。不安定な天候の中でも元気に大きな声で、街頭に立っていただいた各地のボランティアの皆さんに人間としての善意を改めて見せていただきました。

 24時間特別番組では、落語家・桂枝曾丸(かつら・しそまる)さんと中川智美(なかがわ・ともみ)アナウンサーが、近鉄百貨店和歌山店の特設スタジオから生放送し、県内各地に設置された街頭募金基地「愛の泉」や、和歌山、田辺、新宮で繰り広げられたチャリティーオークションの会場などを結んで募金を呼びかけました。FM放送開始を契機に今年春に誕生した高校生参加型番組「WA!ERA」のメンバーによる音楽とパフォーマンス、イメージキャラクターの地域密着型アイドルFun×Fanのみなさんらが番組を盛り上げ、オークションも大盛況でした。

 全編和歌山で撮影された映画「ちょき」の金井純一監督、主演俳優の吉沢悠さんと増田璃子さんによるスペシャルインタビュー。増田さんが役作りのために訪れた県立和歌山盲学校で交流し、今年春高校生となり、ピアニストを目指す菅田利佳さんにも出演していただきました。小学生だった菅田さんに寄り添って取材して番組「一歩ずつ~点字楽譜がくれたもの」は今年度の日本民間放送連盟優秀賞に輝きました。

 今年も視覚障がい者の方の事故が何件も報道されました。8月、東京の地下鉄で盲導犬を連れた男性がホームに転落して死亡、10月には近鉄大阪線で男性が線路に転落して死亡しました。昨年1年間に全国で44人の視覚障がい者が道路や駐車場を歩行中に交通事故の被害に遭い、3人が死亡、41人が重軽傷でした。道路交通法では、視覚障がい者が白か黄色の杖を持つか、盲導犬を連れて通行していた場合、運転者は一時停止か徐行をしなければならないと定めているのに、です。

 稲むらに火をつけ村人を高台に導いて大津波救被害から救った濱口梧陵の逸話をもとに、11月5日は国連が採択した「世界津波の日」となりました。大規模災害が発生した際にも和歌山放送が、「現代の『稲むらの火』」となって県民の命を救うための放送をしていきます。

 全国1位、が少ないないといわれる和歌山県で、「音の出る信号機」の設置率は全国第1位を続けています。交通遺児であり、妹が全盲である私自身、この募金活動に参加することに誇りをもっています。参加してくれている当社、従業員・スタッフみんなも意義を感じてくれていると思います。

 リスナーのみなさまが、新年を健やかに迎えられますことをお祈りいたします。

 ありがとうございました。

2016年12月25日
第31回wbsラジオ・チャリティ・ミュージックソン実行委員長 中島章雄