和歌山・海南、日本遺産『絶景の宝庫 和歌の浦』の絶景スポットを巡る旅

【わかのうら】
6回目の女子旅は、和歌山放送の本拠地、和歌山市を中心に、先ごろ日本遺産になった和歌浦を望む絶景を巡る旅。万葉の昔から、あるいは、もっと前から、国内屈指の景勝地として知られていた場所だ。多くの歌にも詠まれ、それに触発されてか、歌人も旅人も多く訪れている。干満の差の大きい海岸部、その背景に広がる緑の山々は誰の目にも美しい。これらを、前回に続き、懐かしい声とえいる“なっちゃん”こと五島奈津紀(ごとう・なつき)さん(写真右)をパートナーに訪ねる。

紀州東照宮の鳥居前から

紀州東照宮の鳥居前から


絶景の宝庫を巡るからには絶景度の高い写真が欲しい。というわけで、取材の日が曇天模様だったために、すべての箇所ではないが、あらためて、後日写真を撮りに行ってみた。一見、大変な作業のようだが、絶景を目にするのはやはり楽しい。皆さんも、ぜひ訪ねて欲しい和歌の浦、絶景の宝庫であった。

☆番組は、ここから聞くことができます。

【紀州東照宮】
徳川初代将軍、徳川家康公および初代紀州藩主にして、紀州東照宮を建立した徳川頼宣公を祀る通称「権現さん」として親しまれている紀州東照宮。和歌山市和歌浦西にある。旅のテーマににもなっている日本遺産の認定を待つまでもなく、絶景や名所の宝庫、和歌浦の中核となる場所で、5月の和歌祭は、紀州東照宮の例大祭だったりする。和歌山市民なら何度かは訪れたことがあるのではないだろうか。初詣でもにぎわう神社だし。

颯爽と歩き始める2人

颯爽と歩き始める2人

急な石段も登らないと始まらない

急な石段も登らないと始まらない

鳥居をくぐって神域へ。参道は緑に囲まれ、青石が敷かれ、両脇には石灯籠が立つ。この日が曇天だったということもあり、薄暗い中を歩いていく。前方で、参道は左に折れている様子。そこまで来ると、左に折れて、すぐに右にと、クランク状態になっていた。そして、クランクの先には、立ちはだかるようにそびえる石段が見える。女子2人は、思わず立ち止まる。が、「これを登らないと旅も始まらない」という三浦さんの声に力を得たかのように登っていきます。

楼門が目標、息が上がってくる

楼門が目標、息が上がってくる

108段の石段を上りきった2人

108段の石段を上りきった2人

石段を上りきると、次の石段が現れるという神社も少なくないが、紀州東照宮は108段の先、ゴールとなる朱色の楼門が見えていて、上っていくにつれて、近づいてくるので登りやすいかもしれない。途中、足取りが遅くなることはあっても、また、手すりにつかまることはあっても、止まることも後ろを振り向くことなく登り切った2人。スタッフに促されて振り返り、眼下の絶景に声を上げた。

振り返ると絶景が広がる

振り返ると絶景が広がる

紀州東照宮の森の向こうに絶景が

紀州東照宮の森の向こうに絶景が

参道を覆っていた緑、森が足下に広がって、その向こうに、片男波や和歌浦、和歌山マリーナシティなどが一望出来ている。この森がミソである。日常を思い起こさせる民家や電柱の類いがすっかり隠されている。それゆえ、その上方、向こう側に見える海や山が一層、際だって美しく、絶景度をアップさせている。参拝後にも気づくかもしれないが、石段を上りきった疲労感の中で見るこの絶景は「ご褒美のよう」と五島さんの言うとおり、女子旅としてはオススメしておく。

美しい本殿に参拝

美しい本殿に参拝

楼門の彩色も美しい

楼門の彩色も美しい

そのあと、くぐった楼門や本殿、境内の美しさを鑑賞し、参拝を。女子2人も旅の安全と多くの絶景に出会えることを祈願した。

おみくじを選ぶ2人

おみくじを選ぶ2人

おみくじを境内に結ぶ三浦さん

おみくじを境内に結ぶ三浦さん

初秋の紀州東照宮は、まだ、蝉の声も聞こえていたが、暑さは収まり、風は爽やかだった。5月の和歌祭しかり、他の季節にも訪ねてみたい場所ではある。


【新和歌浦】
「和歌浦」と書いて、「わかうら」とも「わかのうら」とも読む。「和歌の浦」の表記も存在する。そして「新和歌浦」というエリアもある。厳密な区分がわからないが、万葉集の例を挙げるまでもないが、いにしえの人々が愛した和歌浦湾を囲む、このあたり一帯が、和歌浦や和歌の浦に対し、観光ホテルや旅館が建ち並び、かつては、ロープウェイや展望台もあったあたらしい観光地としてのエリアが新和歌浦ではないか。そんな気がする。

高津子山の中腹に絶景スポットが

高津子山の中腹に絶景スポットが

時間を忘れて絶景に見とれる

時間を忘れて絶景に見とれる

紀州東照宮から車で、新和歌浦方面へ。和歌浦の漁港を見ながら数分登ると到着するのが高津子山(たかづしやま)駐車場。章魚頭姿山(たこずしやま)とも表記する。読み方が微妙に違ったりする。かつてはこのあたりからロープウェイが山頂に伸びていたのではないかと勝手な想像を巡らせる。ちなみにロープウェイの山頂駅近くには回転展望台があり、和歌浦一帯の景色を楽しむことができた。無くなって久しい。調べてみると、1960年に開業し、1997年に廃止となったらしい。

左手、片男波側

左手、片男波側

右手、雑賀崎側

右手、雑賀崎側

ロープウェイの面影も片鱗も今はない。だが、絶景はそこにある。高津子山は、和歌山市のサクラの名所のひとつなので、この場所を知る人は少なくないかもしれない。だが、サクラのシーズンの主役はサクラなので、サクラの絶景ではない海の絶景が見られる場所として、デート・スポットになること間違いなしの場所として認識している人は案外少ないのかもしれない。

晴天の左手、片男波側

晴天の左手、片男波側

晴天の右手、雑賀崎側

晴天の右手、雑賀崎側

女子2人が訪れた曇天気味だったこの日も十分に絶景だった。だが、ここには、息をのむほどの絶景が広がった晴天時の写真を掲載しておく。「多くの人に見てほしいけど、教えたくない気もする」という五島さんの言葉がここを訪れた正直な感想かもしれない。

晴天の南側

晴天の南側

真下には底まで透き通る海

真下には底まで透き通る海

高津子山の山頂にある展望台まで登れば、和歌山港側(北側)の絶景も眼下に見ることができる。歩いて登れるので、サクラのシーズンにでも、ぜひ、訪ねてほしい場所だ。

振り返れば高津子山

振り返れば高津子山


【雑賀崎漁港】
新和歌浦の絶景スポットから見えるのは、田ノ浦漁港と浪早ビーチ(海水浴場)で、そのお隣が雑賀崎漁港となる。車道も遊歩道もあり相互に行き来できる。駐車場もある。漁港なので、魚のにおいが感じられる。訪れた時間帯にはすでに水揚げの名残はなく、人影はほとんど無かった。漁港の船を係留する鉄の杭(「ビット」という)に、片足をかけ、石原裕次郎ばりのポージングの三浦ちあきさん。

ビットに足をかける三浦さん

ビットに足をかける三浦さん


漁港の回りには、漁業者たちの住居がある。雑賀崎漁港から西側に見える階段状の住居群は、知る人ぞ知る絶景なのだ。晴れた朝が最も良いとされるが、静かな漁港の海面にも映り込んで、日本ではないような景色が広がっている。「モナコのよう」と五島さん、「露出度の高い服を着て歩いたりしたい」と三浦さん。この雰囲気は、ぜひ現地を訪ねて確かめてほしい。
雑賀崎漁港に2人

雑賀崎漁港に2人

モナコのような景色らしい

モナコのような景色らしい

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